2008 Fiscal Year Annual Research Report
地下水流動系から見た汚染地下環境修復の手順に関する研究
Project/Area Number |
18560498
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
平田 健正 Wakayama University, システム工学部, 教授 (30093454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井伊 博行 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60283959)
江種 伸之 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (00283961)
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Keywords | 土壌・地下水汚染 / 揮発性有機塩素化合物 / 重金属 / 汚染修復対策 / 地下水流動 / 汚染メカニズム / 数値シミュレーション / 微生物分解過程 |
Research Abstract |
土壌や地下水の汚染は,私有地あるいは私有財産と不可分の関係にある点で,顕在化している他の環境汚染とは一線を画する.土地取引に土壌地下水汚染調査が必須の時代にあって,綿密な調査と,汚染が発見されたときの適切な修復技術の選択と修復効果の評価は,現在的課題の筆頭といえる. こうした背景から本研究では,これまでに土壌地下水汚染が顕在化し修復対策の実施されてきた汚染現場のうち,トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物と重金属類を事例的に取り上げた.まず,汚染現場の地質学的特徴や水循環,汚染物質の点源,面源の違いや地下水流動の規模などについて整理した,続いて,数値解析技術などを利用して,より効果的な修復対策のあり方について検討した. 平成20年度には,これまでに収集,整理した現場データおよび構築した数値解析モデルを利用して,有機ヒ素化合物の地下水汚染メカニズムの解明および地下水流動が修復効果に大きく影響するバイオレメディエーション技術の効果について検討を行った. 1)茨城県神栖市で生じた有機ヒ素化合物による地下水汚染は,不法投棄されたと思われる廃棄物から溶出した有機ヒ素化合物が密度効果で帯水層深部に浸透した後,地下水流れに乗って下流へ運ばれたことで拡大していったと推察された. 2)土中微生物の栄養物を帯水層に注入することで揮発性有機塩素化合物の分解無害化を促進させるバイオスティミュレーションに関する挙動解析モデルを構築し,本研究で対象とした添加剤を適用した場合には,自然減衰の100倍程度の分解促進効果が得られることを確認した.
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Research Products
(5 results)