2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560499
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川西 澄 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40144878)
|
Keywords | 浮遊土砂 / 干潟 / 河川感潮域 / 密度成層 / 塩水遡上 / ADCP |
Research Abstract |
広島市西部に位置する太田川放水路(平均水深約3m,大潮時の潮差4m)を現地観測の対象とし,平成18年度から行ってきた流速と浮遊土砂濃度の多点同時連続観測および河口干潟の底質調査データを総合的に解析した. 1. 感潮河道内で起こっている密度場と流れ場の変動と,これらを引き起こしている潮汐と淡水流入量および風(海陸風,季節風など)との関係 Tidal strainingにより,上げ潮期と下げ潮期では密度成層と流速分布が大きく異なっており,下げ潮期に強い密度成層が形成されることが明らかになった.また,密度成層強度は風の影響も受けており,河口方向に吹く風が密度成層強度を強めること,風は流れの弱い小潮期に大きく影響する. 2. 感潮河道内を輸送される浮遊砂泥輸送量の変動とその分布特性 潮流によって引き起こされている河道に沿った浮遊砂泥輸送の方向は,Tidal strainingによって起こる密度成層強度の変動が主原因で日平均すれば上流に向いている.その浮遊砂泥輸送量は河口からの距離と共に減少しており,砂泥が河道内に堆積している.洪水時に堆積した砂泥はフラッシュされる.堤防に沿って発達している干潟上では潮位変動にともなう横断方向の流れが発生しおり,潮汐によって堤防方向に輸送された浮遊砂泥が,干潟地盤を維持している. 3. 河川干潟の底質変動 平常時は,河口付近から潮汐によって輸送されるシルト・粘土といった微細粒子が干潟に堆積しているが,洪水時にはその大部分がフラッシュされ,干潟地盤の表面は上流から運ばれてきた砂で覆われる.
|