2007 Fiscal Year Annual Research Report
都市流域の集中豪雨,洪水流出,浸水氾濫に関する統合予測モデルの構築
Project/Area Number |
18560502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
河村 明 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 教授 (10177735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天口 英雄 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (40326012)
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Keywords | 地物データGIS / 地物指向分布型 / 都市洪水 / 貯留関数法 / 合流式下水道 / 流出解析 / 神田川 |
Research Abstract |
本年度は以下に示す主として2項目の研究を実施した. 1.地物データGIS用いた新たな地物指向分布型都市洪水流出モデルの構築に関する研究 東京都内の神田川支川(流域面積約1km^2)を具体的な対象流域として取り上げ、基礎的地物データGISから高度な地物データGISを構築し,対象都市流域をモデル化する事により,豪雨の流出経路を物理的に忠実に再現する精緻な地物指向分布型都市洪水流出解析モデルの提案した。本洪水流出解析モデルを用いて実際の集中豪雨データを対象に洪水流出解析を行い,河川水位の解析結果と観測値を比較することにより構築したモデルの妥当性について評価を行うと共に,流域内の要素別貯留量変化,河川水位変化,雨水・下水道管路からの流出量変化について考察を行った.さらに,仮想豪雨に対し本モデルを適用し,同様の検討を行うとともに,雨水・下水道管路の排水不良や河川水位上昇に伴う浸水現象の妥当性について検討を行った。 2.合流式下水道の流出特性を考慮した都市洪水貯留関数モデルの構築 都市中小河川における実時間洪水予測に適した集中型概念モデルの精度向上に向けて,多くの大都市で採用されている合流式下水道の流出特性を考慮した二価関数の貯留関数モデルである都市洪水貯留関数モデルを構築し,これを都市型洪水氾濫被害が頻繁に発生している東京の代表的中小河州である神田川の上流域に適用し,その適合性及び特性について検討を行った.合成合理式,星らの貯留関数モデル及び構築した都市洪水貯留関数モデルの3種類の集中型モデルを3地点の実測洪水流量観測データに適用し5種類の誤差評価関数に対してパラメータ同定を行い,そのハイドログラフを作成して観測値との比較を行った.その結果,都市洪水貯留関数モデルは,ハイドログラフの形状全体を良好に表現でき,特にピーク流出高及び総流出高の双方が精度良く算定されることを確認した.
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