2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560503
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安田 陽一 Nihon University, 理工学部, 教授 (40210265)
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Keywords | 魚道 / 洪水流 / 局所流 / 維持管理 / 砂防堰堤 / 河川環境 / 礫の排出 / 魚道構造 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は渓流河川に生息する多様な水生生物の生態系保全に配慮して治山ダム,砂防ダム,流路工にどのような魚道が最適であるのかを水理学的に解明することである. 平成19年度には,平成18年度で実験ができなかった条件にもとづき水理学的な解明を行い,台形断面魚道および傾斜隔壁型魚道の水理設計法を提案することを目的にしている.以下に研究成果を示す. (1)張り出し型魚道および引き込み型魚道について模型を用いて堰および床固め工下流の流況特性について系統的に検討を加え,流況特性に対する設置位置,魚道幅の影響を明らかにした.また,魚道設置によって不安定でかつ非対称な流況が形成される場合があることを明らかにし,その水理条件を示した.また,不安定かつ非対称な流況の制御方法を提案した. (2)通常時のプール式台形断面魚道内に形成される流況(潜り込み流れ)の特性の一つとして,隔壁設置断面での側壁に沿った水面変動,隔壁背面(上流面)に沿った流速,および隔壁背面(上流面)に作用する圧力の特性について実験的に明らかにした. (3)礫の排出機能を有する折り返し魚道を提案した.また,折り返し部に隅角の空間がないように傾斜の側壁部を設けることによって,洪水時の流れにおいて屈曲した回転流が生じやすくなり,折り返し側壁部に作用する圧力が静水圧程度になることを示した.さらに,洪水時において魚道内に輸送された礫が魚道内の流れによって排出されることを明らかにした. (4)洪水時において砂防堰堤に設置する折り返し魚道の接続状態および魚道直上流に設置された水制工によって堰堤周辺の流れがどのように変化するのか実験的に明らかにした.
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