2008 Fiscal Year Annual Research Report
石組み落差工の石工の技術調査とその安定性評価に関する研究
Project/Area Number |
18560505
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Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤司 信義 Nishinippon Institute of Technology, 工学部, 教授 (50098951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 誠 西日本工業大学, 工学部, 講師 (10168205)
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Keywords | 石組み落差工 / 抗力と揚力 / 石組み落差工設計法 / 段落ち流れ / 自然石利用床止め / 全幅堰の流体力 |
Research Abstract |
本研究は、石組みによる落差工・床止めの施工方法の整理と共にその力学的設計法を提示しようとするものである。本年度は、本研究計画の最終年度のまとめとなるよう進めてきた。 1)石組み本体構造の外力の評価と設計法:石組み構造流体力評価法と設計法を提示することを目標として進め、ステップ部とプール部の安定性の検討を行った。特に、ステップ部の安定性が石組み構造に重要であることから、ステップ部の構造を単体構造から群体構造として全幅堰型の落差工に働く流体力の評価を行った。従来の全幅堰の流量式から定められる上流水深を導入して、流体力評価を行った。その結果、石組み落差工の天端構成は、凹凸が激しく、長方形堰と見なすことは難しいが、全幅堰の場合抗力が最大になること、中央部分の突起を残してその両側の堰高を取り外しても、抗力は全幅堰の状態に近いことが示された。揚力は下流水深が段落ち高さの1.5倍程度で最大となり、抗力の0.5倍程度になることが明らかにされた。これらの結果から力学的設計法が可能となった。 2)衝撃力の検討:定常的流動の場合衝突物体前面の淀み圧を回避することが多いこと、定量的評価には至っていないが、大きな衝撃力は非定常的流動状態によることが認められた。 3)伏流特性の調査:巨石張り河道の底層の流れの水位変化の現地計測により、河床の伏流による下層浸透流量の評価を行った。洪水の増水期に大きな先行速度が認められた。また、室内実験では既往研究と同様に伏流始端域や終端域に大きな流量が認められた。 4)石組み構造の調査:従来の施工箇所を対象に3Dレーザにより石組み落差工の周辺の石組みの移動状況を調べ、石組みの基石となる巨石の移動は認められなかった。 本研究成果を基に、新しい石組み落差工設計法を提案すると共に、工法特許申請を調整中である。
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Research Products
(2 results)