2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
石川 雅朗 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (30232268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 正喜 木更津工業高等専門学校, 教授 (40042650)
東海 正 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30237044)
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Keywords | 魚道 / ウグイ / 遡上行動 / 流れ場 / 向流性 / バーチカルスロット / 魚群行動 / 個体ベースモデル |
Research Abstract |
1.目的 魚道の性能を評価するために,魚道の遡上行動を再現する魚群行動モデルのパラメータを検討する必要がある。本研究では,室内実験水路に設けたバーチカルスロット魚道におけるウグイの遡上行動観察実験を行い,遡上する魚の向流性について検討した。 2.方法 木更津工業高専にある全長10m×幅0.8m×高さ0.6mの室内水平実験開水路の下流端から上流6.9m地点までの区間を観察水域(長さ6.9m)とした.この下流端から1.8〜4.4mの区間の右岸側バーチカルスロット型魚道の隔壁を模してアクリル製ユニット(L 0.4m×W 0.1m×H 0.2m)6個を0.4m間隔で配置した.水路に毎秒0.024立方メートルの水を通水し,そこに10尾のウグイを放流して,その行動をビデオカメラで撮影した.動画から1秒間隔で各個体の位置座標時系列データを抽出した.一方,XYトラバーサーに三次元電磁流速計を取り付け,実験水路の平面二次元,5cmメッシュの格子点(水深:9cm)における流速を計測した.この個体位置座標データと流速データをもとに,流れ場におけるウグイ魚群の行動特性について分析した. 3.結果 魚群は,めったにプール部に入ることはなく,一気に遡上した.ユニットのない水路部ではほとんどが流速0.2m/sより小さかった.バーチカルスロット魚道のスロット部では水路の幅が狭まることで流速0.5m/s以上があった.スロット部のプール部近くではの比較的ゆるやかな流れ流速0.2m/sが存在した.このゆるやかな流れの箇所を魚は遡上していた.バーチカルスロット最上流部では,縮流によって流れが速い,この流れを遡上する際に,向流性は強い,言い換えれば流れ方向に向かう傾向が強かった.バーチカルスロット型魚道では,流れは複雑で流速に変動が大きいものの,遡上する際には対地速度を一定に維持する傾向が認められた.
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Research Products
(1 results)