2006 Fiscal Year Annual Research Report
海岸保全施設とした『砂浜』の防護・環境・利用の観点からの評価方法について
Project/Area Number |
18560509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
辻本 剛三 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 教授 (10155377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山田 得三 長岡技術科学大学, 環境建設系, 助教授 (70262475)
柿木 哲哉 神戸市立工業高等専門学校, 助教授 (50353298)
宇野 宏司 神戸市立工業高等専門学校, 助手 (00435439)
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Keywords | フィルター層 / 強熱減量 / 人工海浜 / 歩行性 |
Research Abstract |
海岸法の改正に伴い海岸保全施設としての「砂浜」の安全性の確保が重要になっている.「砂浜」の信頼性や安定性を評価するための指標等が提案されていないのが現状である.養浜マニュアル(土木研究センター2005)では,人工海浜を構成する底質粒径は対象海岸の中央粒径,あるいは含有率の最も高い粒径以上の大きさの粒径が必要とされているが,ましてや,本研究のようにF層を有する「砂浜」の安全性(陥没に対する安全性ではない)に関してはほとんど議論されていない. 本研究ではF層の砂礫の種類やその設置位置等を変化させ,堆積型と侵食型及び水位変化を与えて実験を行い,岸沖漂砂による海浜縦断面の変化を調べ,海浜縦断面の可逆・非可逆性と砂礫の表面へ露出の観点から海浜の安全性を検討した.さらに数値モデルによる検討も行った.また、海岸の利用や快適性の観点から現地海岸の砂浜の歩き易さ、強熱減量の分布を調べた。 安全性のためのフィルター層は通常の波浪では表面に露出する事は無く、底面に敷設されている限りおいては海浜が侵食されるなどの安全性を低下させることがなく、堆積作用を促進させることが明らかとなった。仮に表面にフィルター層の砂礫が露出しても、安全性が低下することはない。 散歩などで砂浜を利用する場合、締め固め強度が重要であることが歩行実験により明らかとなり、特に粒径分布よりも含水率が歩行の快適性を高めるために重要である。また、水質等の快適性を底質に付着する有機物の量から算定すると、砂浜の粒径が細かくなるに連れて強熱減量が増加することが判った。 人工海浜に用いる底質としては、粒径が多少粗い方が安全性や快適性の観点からは良い事も判明した
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