2006 Fiscal Year Annual Research Report
夜間における右折車と横断歩行者との事故低減対策に関する研究
Project/Area Number |
18560511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
萩原 亨 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60172839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜岡 秀勝 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (70262269)
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Keywords | 横断歩行者 / 右折車 / ドライバー / 交差点 / 視認性 / 交差点設計 |
Research Abstract |
右折時の歩行者事故の解明には、事故の詳細な情報が必要であるが、実際に入手することは困難である。本年度において、歩行者事故の可能性を客観的に分析する資料を得るため実験を行い、ドライバーの運転挙動データから右折時の歩行者事故の原因を検討した。また、事故対策として、右折停止位置に着目し、右折停止位置を後方に下げた時のドライバーへの影響を把握した。 被験者実験から、衝突可能性の高いタイミングの歩行者をドライバーは発見し難いことが分かった。一方、衝突の可能性が低い歩行者をドライバーは容易に認知でき、安全性と相反する認知状況となっていることが分かった。右折開始の直前に衝突可能性のある歩行者を認知することが望ましいが、このときドライバーはギャップの判断をすると同時にアクセル等の車両をコントロールしており、認知する余裕があまりない。次に、右折回頭後にこのタイミングの歩行者を発見する必要がある。しかし、両者の距離は近いが、ドライバーの視野から離れており、発見し難い位置関係でとなっていた。衝突可能性の高いタイミングの歩行者を容易かつ短時間にドライバーが認知できる状況を作り出す必要があると言えた。 そこで、本実験ではさらに、右折時における歩行者の見落としを避けるために、交差点中での一時停止位置について検討した。後方において横断歩道方向の確認が容易であること、昼における対向車線方向の確認が容易であり右折判断が早いことから、後方の有効性が明らかになった。ただし、右折車両の速度は後方になると大きくなる傾向があり、右折車両の速度を抑制する必要があった。
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