2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境学的マクロモデルによるOECD加盟国の環境指標の比較研究
Project/Area Number |
18560532
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
松尾 友矩 Toyo University, 国際地域学部, 教授 (80010784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大瀧 友里奈 東京大学, 大学総合教育研究センター, 特任助教 (50422382)
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Keywords | 地球温暖化対策 / 一次エネルギー消費 / 二酸化炭素排出量 / 社会的エネルギー効率 / エネルギー政策にかかわる類型化 / 環境学的マクロモデル / OECD加盟国 |
Research Abstract |
OECD諸国における、1960年から2003年までの、人口、GDP(購買力平価に換算した値として)、一次エネルギー消費、CO2排出量、に関するデータについて、次のような指標を計算し、それぞれの国の地球環境への負荷にかかわる特徴の解析を行った。指標としては、一人当たりGDP、一人当たり一次エネルギー消費、一人当たりCO2排出量、GDP当たりの社会的エネルギー効率、一次エネルギー消費あたりのCO2排出率、の各指標を、10年毎の平均値として求め(但し、2000年については、2001年から2003年までの期間としている)クラスター分析を行い、OECD加盟諸国における、地球環境への負荷の与え方の特徴を調べている。その結果の要点は次のようにまとめられる。 (1)1960年代から、ほぼ一貫してエネルギー消費が少なく、CO2の排出量も少ない国としてはノルウェー、スウェーデン、スイス、フランス、を挙げることができる。これらの国ではエネルギー源が水力、あるいは原子力に転換されている傾向が確認できる (2)近年においては、社会的エネルギー効率は良好であるが、一次エネルギー消費当たりCO2排出量は高い国としては、ベルギー、デンマーク、ドイツ、オランダ、英国がこのグループに類型化される。 (3)エネルギーの多消費、CO2の多排出国としては、ルクセンブルグ、アメリカ、カナダ、オーストラリアの諸国が分類される。 (4)1980年代までは、エネルギー消費、CO2排出とも低い傾向にあったにもかかわらず、1990年代に入り、多消費、多排出国へと情況の変化してきている国としては、日本、韓国、フィンランド、ニュージーランド、イタリアがグループ化される。 ここに示される結果は、各国の経済政策、産業構造、エネルギー政策のマクロな反映であり、それぞれの国の地球環境問題への課題を示すものとなっている。
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Research Products
(1 results)