2007 Fiscal Year Annual Research Report
鉄を利用したハイブリッド型砒素除去フィルターの開発
Project/Area Number |
18560534
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中島 淳 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (00309098)
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Keywords | 砒素除去 / 地下水汚染 / バングラデシュ / 浄水処理 / 鉄バクテリア / 吸着 / 砒素除去フィルター / 国際協力 |
Research Abstract |
(1)砒素除去フィルターの設計 実用可能な鉄ハイブリッド型の砒素除去をすすめるために、途上国においても製作が可能なフィルターを設計した。材料が現地で求めやすいこと、安価であること、住民が維持管理可能であることなどを考慮し、粘土に米糠を混合して焼成するセラミックタイプのフィルターを検討した。粘土と米糠の前処理方法(粒度の均一化)、最適な混合比、および焼成に必要な温度について実験的に検討し、その最適条件を明らかにした。 (2)ハイブリッド型砒素除去プロセスの構築 バングラデシュの地下水の化学成分を想定した人工地下水を用いて室内実験を行い、鉄バクテリアおよび金属鉄を組み合わせた砒素除去プロセスの砒素除去特性を明らかにした。本年度は砂層の代わりにセラミックタイプのフィルターを用い、金属鉄として鉄網を用いて鉄バクテリアを加えたハイブリッド法による砒素除去フィルターを設計して実験に用いた。その結果、200μg/Lを超える原水砒素濃度に対して、飲用基準を下回る処理水砒素濃度が得られた。 (3)砒素除去フィルターの適用可能性の検討 設計した砒素除去フィルターが、現地において製作可能であるかを明らかにするために、バングラデシュのクルナ市近郊の農村で、現地の粘土と米糠を用いてフィルターを焼成した。雨期にドラム缶を用いてヤシ殻炭の同時製作を試みたところ、十分な焼成温度が得られなかった。そこで、乾期に植木鉢等の焼成を行っている小規模な窯でフィルターを焼成したところ、良好な焼成温度が得られ十分な強度等を有するフィルターが製作された。また、製作されたセラミックタイプのフィルターは、砂ろ過と比較して維持管理面に置いて優れていると判断された。
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Research Products
(2 results)