2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560537
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
市川 勉 Kyushu Tokai University, 工学部, 教授 (00119645)
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Keywords | 水資源 / 水循環 / 環境調和型農林水産 / 水工水理学 / 減水深 / 湛水田 / 地下水涵養 |
Research Abstract |
平成16年度〜18年度、研究代表者は75箇所の湛水田と20箇所の水田で減水深調査を実施し、湛水田の湛水効果を評価した。平成19年度には、湛水田をさらに10箇所の減水深を調査した。この調査には購入した減水深計を用いた。また、過去の気象データから、ソーンス・ウェイト法を用いて可能蒸発量を計算し、減水深から蒸発散量を差し引くことによって、湛水田、水田におけるより正確な地下水涵養高を求め、涵養地域一帯の分布図を作成した。 これらの地下水涵養高の分布図と湛水田の位置図、水田一筆地の面積、湛水日のデータを用いて、地下水涵養量の計算を行った。白川中流域の湛水田による地下水涵養は平成16年から本格的に実施されており、過去4カ年の涵養量を推定した。また、水田作付けの一筆地も土地改良区から取得し、そのデータを用いて、水田・湛水田の地下水涵養量の推定を行った。 地下水位の観測は、白川中流域では、熊本県の地下水位観測点、熊本市の地下水位観測点、研究代表者の地下水位観測点の3箇所があり、湛水事業開始前からの観測データの整理を行った。これらの地下水位データと最も近い降雨観測点のデータを取得した。さらに、研究代表者は、白川中流域中央部に位置するカントリーパークに降雨計を設置し、降水量の観測を開始した。この観測地点では、5分間雨量のデータを収集した。その結果、湛水田による地下水涵養量は、平成16年度の約920万m^3から平成19年度1850万m^3へと倍増し、地下水位も上昇傾向に転じており、湛水事業の効果が現れていることがわかった。 平成20年は、湛水事業5年目にあたり、更なるデータの蓄積を行い、地下水位変動と降雨、水田涵養、湛水田涵養の成分分離を行い、湛水田による地下水涵養効果の評価への寄与率の評価を行い、地下水シミュレーションモデル(タンクモデル)を用いて、地下水変動の同定、将来予測を行い、湛水事業の効果評価を行う予定である。
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