2006 Fiscal Year Annual Research Report
原点指向型非線形弾性復元力特性を持つ鋼構造骨組に関する研究
Project/Area Number |
18560541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 大彦 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90005471)
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Keywords | 原点指向 / 弾性関節接合 / 鋼構造骨組 |
Research Abstract |
原点指向型弾性関節接合から成る鋼構造骨組をモデル化し、柱梁接合部の変形特性に関する理論的・実験的研究並びに骨組の地震力による静的・動的応答特性に関する研究を実施した。 本年度は、初年度の計画に沿って、以下のように研究を実施した。 1)十字試験・ト字試験両用の加力骨組を設計し、製作した。本試験では、梁の変形に注目するところから、柱要素を十分剛であることとした。 2)梁要素は1/3〜1/4の縮尺モデルとしてH-200×100とし、突出長さを120cmとした。締め付けボルトには、PC鋼棒(φ-17)の場合とストランドワイヤー(φ-15.2)の場合とを採用した。締め付け範囲(ボルト長)については、80cm、100cm、140cmとし、離間後の剛性を含む変形特性を調べた。 3)締め付けボルトの初期張力をボルトの弾性限界の50%程度とし、原点指向型弾性関節接合を実現し、その変形性能希を調べた。 4)接合部の変形計算モデルを作成し、対応関係を調べた。 5)数値解析では、離間モーメントを境に、2折れ線型の非線形弾性復原力が得られるが、実験では3折れ線型になった。その原因として圧着部の梁軸方向変形、圧着の不完全性が考えられることから、圧着部の梁フランジ位置に薄鋼帯を挿入し、2折れ線型とすることができた。 6)左右の梁端モーメントが異なる場合に離間モーメントが変化することから、離間に伴う応力再配分が離間の進展を順次促すことにより、骨組全体として外力に有効に抵抗できることを理論的、実験的に確認した 7)骨組解析プログラムを作成し、静的・動的解析を行い、妥当であることを確認した。
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