2006 Fiscal Year Annual Research Report
新素材を用いた高耐久・高性能住宅用布基礎に関する研究開発
Project/Area Number |
18560545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
磯 雅人 福井大学, 建築建設工学専攻, 講師 (60377471)
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Keywords | 布基礎 / PVA繊維 / 高耐久 / せん断終局耐力 / ひび割れ / 損傷 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高性能・高耐久な住宅用布基礎を開発することである。高性能・高耐久とするための1つのアイデアは主筋およびせん断補強筋に新素材(アラミドロッドまたは炭素繊維ロッド)を使用することである。2つ目のアイデアは,コンクリートの代替としてポリビニルアルコール繊維補強コンクリート(以下,PVA-FRC)を使用することである。しかし,その構造性能は不明であるため,実験的手法により,その構造性能を明らかにし,その設計法を開発することを目的とした。本年度は,PVA-FRCを用いた布基礎のせん断性状を把握するたに以下の実験を実施した。 (1)PVA-FRCの最良な調合を決定するための試し練り (2)PVA-FRCの基礎的特性を把握するため一軸引張試験および圧縮試験 (3)PVA-FRCを用いた薄肉断面RC梁部材のせん断実験 以上の実験により以下の知見が得られた。 <試し練り> ・ワーカビリティーに優れたPVA-FRCの配合を決定した。本配合の圧縮強度は約60N/mm^2であった。 <一軸引張試験および圧縮試験> ・引張強度はPVA繊維を混入することにより,繊維が無混入のRC供試体に比べて,ひび割れ後の強度低下は小さい。また,PVA繊維の体積混入率を増加させることによりひび割れ後の強度は高くなる傾向が認められた。 ・圧縮強度が約60N/mm^2におけるPVA-FRCとコンクリートの圧縮性状はほぼ同等であり,繊維混入による影響は認められなかった。 <せん断実験> ・PVA繊維の体積混入率を増加させることによりせん断終局耐力は増加し,PVA繊維のせん断補強効果が確認された。 ・主筋がシングルに配筋されたRC梁部材の破壊性状は,梁上面が割裂破壊するのに対し,PVA-FRCを使用した梁は,上面割裂を防止し損傷を抑制する効果が認められた。また,同荷重時のRC試験体とPVA試験体のひび割れ幅はPVA試験体の方が小さく,ひび割れ幅を抑制する効果が認められた。 ・トラス機構とアーチ機構の抵抗モデルを用いたPVA繊維のせん断終局強度式を提案し,本提案式でおおむね実験値を評価できることを示した。
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Research Products
(1 results)