2009 Fiscal Year Annual Research Report
新素材を用いた高耐久・高性能住宅用布基礎に関する研究開発
Project/Area Number |
18560545
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
磯 雅人 University of Fukui, 工学研究科, 講師 (60377471)
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Keywords | アラミドロッドユニット筋 / 布基礎 / せん断性状 / せん断終局耐力 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高性能・高耐久な住宅用布基礎を開発することである。高性能・高耐久とするための1つのアイデアは主筋およびせん断補強筋に腐食の恐れのない連続繊維補強材(アラミドロッド及びアラミド繊維シート)を使用することである。2つ目のアイデアは,コンクリートの代替としてポリビニルアルコール繊維補強コンクリート(以下,PVA-FRC)を使用することである。しかし,その構造性能は不明であるため,実験的手法により,その構造性能を明らかにし,その設計法を開発することである。平成21年度は,主筋にアラミドロッドを,せん断補強筋にアラミド繊維シートを用いて,それらをエポキシ樹脂により接合したユニット筋(以下,アラミドロッドユニット筋)を使用した布基礎について,そのせん断性状を把握するための構造実験を実施した。試験体は,断面bxD=150×400(mm),せん断スパン比a/D=2.0,4週時のコンクリートの目標圧縮強度F_<28>=21N/mm^2である。主筋はアラミドの異形ロッドψ13mmを,せん断補強筋はアラミド繊維シートを使用した。せん断補強筋比Pwは0.02(%)とし,せん断破壊が先行するように設計を行った。以上,試験体総数は計1体である。本実験より得られた知見を以下にまとめる。 ・破壊性状はユニット鉄筋と同様に上・下面の割裂ひび割れを伴うせん断破壊を示した。変形性状は曲げひび割れが生じると急激に剛性を低下させ,最大耐力後は一気に耐力を低下させる脆性的な変形性状を示した。 ・最大耐力時のアラミド繊維シートのひずみ度は破断ひずみ度に達する前に最大耐力に至っており,十分なせん断補強効果を発揮する前に終局に至る傾向が認められた。 ・既往のせん断終局強度式:大野・荒川min式を用いたせん断設計法を開発し,本提案式により,せん断終局耐力実験値を安全側に評価できることを示した。
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