2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40313837)
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Keywords | 宅地 / 地盤調査 / 地盤の不均一性 / H / Vスペクトル / レイリー波探査 / 波の到来方向 / アレイ観測 |
Research Abstract |
現在、欠陥住宅が社会問題になっている。欠陥住宅で多く発生する床の傾斜、外壁や内壁の亀裂、開口部建具の不具合は、地盤の不同沈下や基礎工事の不備に起因する場合が多い。そのため、欠陥住宅の72%が地盤の不同沈下や基礎工事の不備に起因しているという報告もある。不同沈下の要因として、軟弱粘性土、盛土、埋め立て地盤および砂地盤の液状化がある。また、それ以外に局所的な地盤の問題、例えば、「ゴミ、ガラ、大木の根の掘り取った跡、池を埋めた跡、地中のコンクリートの巨塊など」も不同沈下の要因である。しかし、従来の地盤調査法は、宅地平面上の点が調査対象であり、宅地に伏在している局所的な軟弱地盤等を把握できないケースがある。そこで、本研究は、宅地全体における3次元表層地盤の不均一性を簡便に評価する手法を開発することを目的としている。平成18年度は、(1)局所的軟弱地盤における波の伝播特性の検討および(2)実際の宅地において、各種地盤調査法(H/Vスペクトル、レイリー波探査、軽量簡易動的貫入試験、スウェーデン式サウンディング試験)との比較検討を行った。得られた知見を以下に示す。 1.加振点と観測アレイの問に軟弱地盤が存在する場合、波の到来方向はばらつき、波の位相差は乱れることが分かった。軟弱地盤に対して直交方向から波が入射する場合、加振方向と波の到来方向との角度差は比較的小さいが、一部の微動計の波の位相差は乱れることが分かった。 2.ブラインドテストの一環として、実際の宅地で到来方向に基づく地盤の不均一性評価の検討を行った。波の到来方向が大きくばらついた場所で、レイリー波探査、軽量簡易動的貫入試験、スウェーデン式サウンディング試験を行ったところ、表層地盤のS波速度、先端抵抗、W_<SW>およびN_<SW>が周辺地盤と異なることが分かった。ただし、H/Vスペクトルのピーク周期では、表層地盤の差異が不明瞭であった。
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