2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工雪を用いた降雪風洞実験による屋根雪分布形状の推定と実務設計への展開
Project/Area Number |
18560559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
桜井 修次 北海学園大学, 工学部, 教授 (50153953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 攻 北海道大学, 名誉教授 (00002014)
阿部 修 独立行政法人, 防災科学技術研究所・雪氷防災研究センター, 総括主任研究員 (70414406)
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Keywords | 建築設計 / 屋根雪分布 / 吹き払い / 吹きだまり / 人工雪 / 風洞実験 / 気流 / 屋根面風圧分布 |
Research Abstract |
北海道・東北・北陸などの多雪地域に建つ建築物では、屋根雪の吹き払いや吹きだまりによって屋根面における積雪量が偏在することがあり、設計上その影響を考慮しなければならない。この屋根雪の偏分布形状を推定する手法の一つとして、降雪風洞実験が挙げられる。本研究は、人工雪を用いた低温室内での降雪風洞実験により、信頼性の高い屋根雪分布形状予測手法の確立を目的の一つとしている。実験モデルとして、札幌市郊外に建つ水平屋根を有する実在建物を選定し、その屋根雪実測資料と風洞実験結果とを比較して、実験手法の照査を行った。その結果、人工雪を用いた降雪風洞実験は、その風向・風速を野外条件と近似させることによって、屋根雪分布形状のパターンバリエーションの推測がある程度可能であることが分かった。また、他の屋根形状として、切妻屋根を選び、それの積雪分布特性について検討した。 屋根雪の偏分布現象は、屋根面近傍の気流性状と密接な関連があるため、風工学の分野における風洞実験手法や成果を利用して、屋根雪分布形状を推定できれば大変都合がよい。本研究では、気流の乱れあるいは渦による圧力の変動に着目し、屋根面全域における変動風圧係数の分布特性と屋根雪分布形状両者の相関性を検討した。上記の水平屋根を有する建物を対照として実験を行った結果、風圧の変動が大きいほど積雪深は小さくなり、概ね両者が相関性を有していることを確認した。この時の適用条件として、降雪風洞実験における風速が挙げられ、本実験の範囲では屋根高さ風速1.5〜1.7m/s程度において有効であった。
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Research Products
(3 results)