2006 Fiscal Year Annual Research Report
フレッシュコンクリートの非静置条件下における流動挙動モデルの構築
Project/Area Number |
18560566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
渡辺 健治 中部大学, 工学部, 助教授 (40319231)
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Keywords | コンクリート / モルタル / 流動性 / レオロジー |
Research Abstract |
一般的にフレッシュコンクリートの流動特性はビンガムモデルで表現できると考えられているが、静置したコンクリートが時間経過とともに流動性が低下し、物性が変化していることは自明である。しかし、前述のビンガムモデルの定数である降伏値と塑性粘度が時間とともにどのように変化するのかについて検討した事例は非常に少ない。これは、10数年前までは、まだ、スランプ値(すなわち降伏値)のみでコンクリートの物性を評価することが主流であり、塑性粘度の概念が導入されまだ間がないためである。フレッシュコンクリートのレオロジー定数は、時間経過とともに変化するが、同時に、ポンプ圧送に代表されるような、高圧力高せん断力という外力が作用しても変化することが経験的に分かっている。ただし、品質変化に及ぼす影響を定量的に評価するためには、時間による影響と養生条件による影響を分離する必要がある。 本研究では、まず平成18年度では、影響因子のうち最も基本的な要件である時間経過による品質変化について調査を行った。試料にはモルタルを用い、高性能AE減水剤を添加し低水セメント比とした調合条件で、そのコンシステンシーの変化を20分毎にモルタルフロー試験とJ14ロート試験を用いて測定した。その結果、単位骨材容積や骨材の粒径によって、コンシステンシーの変化の程度が異なることなどを明らかにした。また、試料の練り上がりの塑性粘度は余剰ペースト膜厚理論を用いて算定した余剰ペースト膜厚と相関があり、この関係は、骨材の粒径によらず一定の関係が認められることがわかった。すなわち、異なる骨材を用いても、余剰ペースト膜厚を算定すれば、調合条件を入力する事で塑性粘度を予測する事ができることが分かった。ただし、余剰ペースト膜厚は、レオロジー性質の経時変化の挙動とは相関がみられず、この性質だけで経時変化を定量化することはできないことも分かった。
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