Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 肇 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (30183148)
麓 耕二 釧路工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50259785)
濱田 靖弘 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40280846)
桑原 浩平 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (40374582)
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Research Abstract |
本研究では,寒冷地の外気による自然冷熱を活用して生産する氷の資源化を促進するための新技術の開発と,事業化への方策を提案することを試みる.まず,自然冷熱の利用をブレークスルーさせ得る低コスト・高効率の製氷システムを開発した.次いで,冬期間の積雪との複合的利用可能性について評価するとともに寒冷地における製氷ポテンシャルを明らかにした.さらに,地域連携に基づいた自然冷熱起源の氷の広域複合利用モデルを構築し,民生,農・漁業など多目的に展開を図ったものである.特に,農産物貯蔵,冷房が主体であったこれまでのシステムに対し,本研究では,農産物生産,食糧流通モデルへの適用をめざしている. 平成18年度は,自然冷熱製氷サイクル,自然冷熱・冷凍機ハイブリッドサイクル,雪・水混合製氷サイクルに関する要素技術開発を主たる課題として,以下の研究を行った. (1)自然冷熱製氷サイクルの要素技術開発 冬期間にできるだけ大量の製氷を達成し得るための製氷容器およびそれによる製氷サイクルを提案した.一つの容器内の液水を冬期間かけて固化する従来の発想とは異なり,外周部分を短期間に凍結させ,製氷容器を取り外し,迅速に次の製氷サイクルに取り掛かる新しいモデルを開発した. (2)自然冷熱・冷凍機ハイブリッド製氷サイクルの要素技術開発 電気式冷凍機を用いて135kgの氷を製氷容器で約二日間かけて製造する従来の氷販売事業に対して,自然冷熱製氷サイクルと同様に外周部分を電気式冷凍機で,コア部分は冬期の自然冷気で時間を掛けて製氷するハイブリッドモデルを提案した. (3)雪・水混合製氷サイクルの要素技術開発 製氷容器内で液水と雪を混合し,全体の凍結速度の促進を図ることをねらいとする雪・水混合製氷サイクルを提案した.ここでは,空間冷却用途に限定し,品質・コストを大幅に低減させることをねらいとした,具体的には,屋外実規模製氷実験,雪・水混合比率の検討,製氷速度改善効果の評価,空調・貯蔵分野における利用可能性評価に関して検討を実施した.
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