2006 Fiscal Year Annual Research Report
知識データベース手法に基づく空調システムの不具合検知・診断ツールの開発
Project/Area Number |
18560575
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤司 泰義 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 助教授 (60243896)
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Keywords | 建築 / 空調システム / 省エネルギー / 不具合検知・診断 / ツール開発 / コミッショニング |
Research Abstract |
平成18年度で実施した研究内容は、1.不具合検知・診断ツールのプロトタイプの完成、及び2.空調システムシミュレーションプログラムのキャリブレーションである。以下、各研究成果についてまとめる。 1.不具合検知・診断ツールのプロトタイプの完成 HVAC&R実験解析システム(実験棟)を対象に、不具合検知・診断ツールのプロトタイプを完成させた。本研究で開発する不具合検知・診断ツールは、新たなセンサの設置を必要とせず、基本的で少ないデータ項目で不具合のある箇所を空調システム全体から絞り込むといった、不具合検知・診断の中間プロセスで利用できるものである。 完成した不具合検知・診断ツールのプロトタイプを空調システムシミュレーションに組み込み、約20種類の不具合項目と不具合進行度を想定して検証したところ、不具合の検知率は70〜80%で、その検知によって10%前後の省エネと室温制御状態の改善が可能であることが確認された。 2.空調システムシミュレーションプログラムのキャリブレーション 不具合検知・診断ツールのプロトタイプをより実効あるものにするためには、空調システムシミュレーションの精度向上が欠かせない。ここでは、HVAC&R実験解析システム(実験棟)の実測値によるパラメータ同定手法を導入した。キャリブレーションを行なうパラメータは、室の顕熱・潜熱容量、熱源機器・ポンプ・ファン性能等である。すなわち、要素機器(建物含む)のサブプログラムの入力に実測値を使用し、出力される計算結果が実測結果とできるだけ一致するようにパラメータの同定を行った。その結果、室温の絶対誤差は約0.5K、システムCOPの最大誤差は約3%、システムの日積算電力消費量の相対誤差も-6〜4%と精度良く模擬することが可能になった。
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