2007 Fiscal Year Annual Research Report
局所水分非平衡理論に基づく熱水分同時移動計算を用いた室内湿度変動予測に関する研究
Project/Area Number |
18560585
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
大澤 徹夫 Gifu National College of Technology, 名誉教授 (60024270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 哲 岐阜工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (80321438)
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Keywords | 湿気 / シミュレーション / 室内湿度 / 平衡含湿率 / 局所非平衡 |
Research Abstract |
水分吸着量ステップ変動シミュレーションを行う新たな計算方法として、クランク・ニコルソン法を用いたプログラムを作成した。本シミュレーション結果と既往の実験結果との比較では、予測開始から100分程度までの範囲で実験値に近い値を示したが、未だ実験値と差異が観察された。そのため、本計算方法を基にし、実験方法や実験環境の見直し、局所湿気伝達率の非線形性、また、εの同定についての検討が必要であると考えられた。 実験より算出した非線形試料表面湿気伝達率を用いた水分吸着量変動シミュレーションを行い、同伝達率が線形の場合と比較を行った。その結果、今回行ったシミュレーション環境下では、非線形試料表面湿気伝達率を用いた場合の方が線形の同伝達率を用いた場合より水分吸着量が大きくなることがわかった。しかし、その差は微小であり実験値と解析結果との差異を改善する要因にはならなかった。 また、シミュレーションでは、局所湿気伝達係数にかかる指数項εを調整することで同係数を非線形化し、局所湿気伝達係数βとの兼ね合いにより吸放湿過程のより精密な近似を図った。 εの変化により吸放湿過程の曲線形状の変化は局所湿気伝達係数βを変化させたことによる曲線形状の変化と同等であることがわかった。局所非平衡理論での計算が連立方程式により実質部の相対湿度を求めるため、指数項であるεを変化させた場合の計算結果が、εの変化が単純には反映されなかったと考えられる。しかし、今回のシミュレーションではεに1以上の値を代入しての検討しかしておらず、今後1以下や負の値の計算結果で変化が現れる可能性がある。あるいはεを指数項とせずに別の係数とする式の変形も検討する必要がある。
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