2007 Fiscal Year Annual Research Report

不均一温熱環境評価のための局部気流環境における人体影響評価に関する実験的研究

Research Project

Project/Area Number	18560586
Research Institution	Toyota National College of Technology
Principal Investigator	鈴木健次 Toyota National College of Technology, 建築学科, 准教授 (60259877)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	武田紀子豊田工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (30413785)
Keywords	修正湿り作用温度 / 個人差 / 皮膚温 / 温冷感 / 部位 / 被験者実験 / 気流
Research Abstract	本研究では、人体各部位に与える生理的及び心理的影響を明らかにすることにより、不均一な温熱環境の快適性及び温熱的影響を定量化する評価指標を作成することを目的とし、局部気流曝露環境において被験者を用いた実験を実施した。平成19年度は、足部を対象として被験者に対する局部気流曝露実験を実施し、人体への影響を検討した。椅座裸体人体の足部に対して、正面及び背面から、温度及び風速の異なる局部気流を曝露した場合の生理・心理反応を計測し、温熱的影響を検討した。実験は前年度の熱的諸係数の計測に対する方法と同様に実施し、測定点等は前年度に対流熱伝達率分布から検討した代表点とした。得られた結果より、足部への局部気流曝露が全身及び人体各部位に実際に作用する温熱的効果を、修正湿り作用温度(HOTV)及び部位修正湿り作用温度(部位HOTV)を用い定量的に評価すると共に、気流性状や曝露部位の違いによる人体への温熱効果に関して検討した。その結果、気流が直接曝露している足背部と下腿前部において、部位HOTVと皮膚温の相関は高く、部位への温熱的局所影響を的確に表現できることが確認された。しかし、一方で局所曝露部位の皮膚温が著しく低下し、顕熱放熱量が小さくなる被験者の場合には、気流の温度効果を過小評価する可能性が示唆された。なお、気流を直接受けない部位では、被験者毎には条件による皮膚温の違いは小さく、同じ局所曝露条件でも気流が人体に与える温度効果には個人差が現れることが確認された。個人差に対する評価についてのさらなる検討の必要が示唆された。