2006 Fiscal Year Annual Research Report
アクションを中心とした成熟社会の新しい都市計画システムの研究
Project/Area Number |
18560595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高見沢 実 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70188085)
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Keywords | アクション / 成熟社会 / 都市計画システム |
Research Abstract |
成長が大きくは見込めないこれからの日本の市街地を考えると、ストックを適正に評価しながらそれらを活用し、明確なビジョンのもと、アクションの積み重ねによって個別プロジェクトを誘導していくような「能動的な」都市計画システムが必要とされている。 本研究は、筆者がこれまで研究を継続してきたイギリスにおいて2004年に都市計画法が大きく改正され(以下、2004年法)アクション型の「能動的な」内容を強化したことに着目して、新しい都市計画システムの制度設計と運用に向けた取組みを広く分析し、成熟社会に入った我が国のこれからの都市計画に貢献することを目的としている。初年度の18年度は、研究計画に従ってその2004年法の基本的内容を整理するとともに、施行後2年間の実例や課題等につき分析した。2004年法では迅速かつ的確な都市計画の運用を可能にするため法定事項と非法定事項が分節的になっており、自治体によって策定手順がまちまちであるが、国は地方の計画策定を継続的に支援する一方、合理性を欠くものについてはやり直しを命じるなどのムチも持っている。 一方、衰退・荒廃地域の再生や中心市街地の活性化を中心として、アクションを中心とした都市計画がどのように活用されているかについて、ツール、主体、財源の3つの面から実例を現地調査で確認しつつ分析した。とりわけ工業都市の性格をもつマンチェスター都市圏等を事例としてとりあげることで、ストック活用やエリアマネジメント技術等における先進性を確認できた。こうした都市でも2004年都市計画法体系に徐々に移行しつつあり、具体例を通して新しいシステムの適用過程や都市固有の課題などをつぶさに把握することができた。
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