2006 Fiscal Year Annual Research Report
地方分権下における地域住宅政策のガバナンス・システムに関する研究
Project/Area Number |
18560603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
桧谷 美恵子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (60238318)
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Keywords | フランスの住宅政策 / 地域居住政策 / 地方分権 / 地方住居計画(PLH) / 社会住宅 / 市町村間連携 / 都市政策 |
Research Abstract |
フランスの地方住居計画図書(PLH)を素材に、同国における地域住宅政策の現状、課題を分析した。 1.「地方住居計画(PLH)」の策定状況 地方住居計画と呼ばれる計画図書の意義は、近年制定された地方分権ならびに住宅政策領域の関連立法により高まっており、都市圏を構成する隣接基礎自治体(市町村)の連携組織(市町村間協力公施設法人:EPCI)がその策定主体として、重要な役割を果たしている。研究期間中、首都圏であるイル・ド・フランス地域、リヨン都市共同体、リール都市共同体など、複数の市町村連携組織および県で調査を実施し、PLHを策定、更新する動きが活発化していること、策定プロセスが住宅領域におけるパートナーシップの開発・深化に寄与していることを把握した。 2.重点課題の分析 PLHで特に重視されている課題は、社会賃貸住宅の供給を促進するとともに、地域間格差を是正し、均衡のとれた配置を実現することにある。日本の状況と対比しつつ、こうした目標に即して展開されている2つの施策、すなわち、既存の大規模団地建物の除去、更新事業と、新規社会賃貸住宅建設事業という個別具体の事業に対して、PLHがそれらの計画推進においてどのような役割を果たしているのかを分析した。また優先施策として位置付けられた課題について、市町村が主導する都市計画事業と、国からの補助が厚い重点事業のいずれとより強く関連付けられているのかという観点から現状を把握した。 3.政策遂行主体へのインタビュー調査 研究期間中、現地で実務家、研究者等にインタビュー調査を実施し、PLHが地域居住政策に果たしている役割、策定範囲の設定方法やその妥当性、都市政策に関する他の計画図書の内容と地方住居計画図書との整合性などについて、調査を実施し、概要を把握した。
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Research Products
(4 results)