2008 Fiscal Year Annual Research Report
建築計画学の関与による在宅リハビリケアシステムの構築に関する実践的研究
Project/Area Number |
18560604
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
山本 和恵 Tohoku Bunka Gakuen University, 健康社会システム研究科, 准教授 (10230541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 治文 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 准教授 (60382694)
佐直 信彦 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (50004974)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 人間生活環境 / 医療・福祉 / リハビリテーション / 臨床 |
Research Abstract |
協力病院のリハビリテーション科に通院中の脊髄損傷者27例、脳卒中後遺症者25例に対して、QOL等の日常生活の状況と、改修等の住宅の現状に関するアンケート調査を行い詳細なデータを得た。本年度はさらに具体的な間取り、ならびに日中滞在場所等の住まい方に関して追調査を行なった。脊髄損傷者の場合は、車椅子使用可能な住宅改修が在宅移行の前提となる。その意味で重要であり、すでに一定の改修ノウハウがある。QOLと住環境の相関は低く、ADLとの相関は高い。車椅子での生活が再構築されることで、環境と身体の相互関係は安定すると考えられる。他方、脳卒中後遺症者については、歩行等に障害が残ることが多い。環境要因により行動制限等が起こり、リハビリ不満につながるなど、環境と身体の相互関係が意識され、満足度に影響を与えていることがわかった。また介助が必要な例も多く、家族介護負担の心配や、家族との孤立感なども意識されており、日中滞在場所と家族との距離も考慮対象となることがわかった。住環境要素とQOL、ADL、リハビリ評価との相互関係について仮説を得ることができた。このことは、個々の住環境を踏まえ、生活を再構築する中で、リハビリプログラムを納得して組み立てることがQOL向上につながることが推察される。特に脳卒中後遺症者については、住環境も大きな要因として、リハビリ効果を阻害するとして不満を強くしており、「住環境を評価」し、現状を踏まえた生活改善やリハビリプログラムの提示が効果的と考えられる。今後はこの仮説をもとに、個々の住環境を踏まえたリハビリプログラムの具体的な適応について医療者とともに考察する段階に入る。
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Research Products
(1 results)