2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本とスウェーデンの高齢過疎地域を事例とした地域福祉住環境システムに関する研究
Project/Area Number |
18560618
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
田中 千歳 美作大学, 生活科学部, 助教授 (30346332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
小坂田 稔 美作大学, 教授 (10269988)
薬師寺 明子 美作大学, 講師 (10412230)
|
Keywords | スウェーデン / 高齢過疎地域 / 住環境システム / 高齢者・障害者 / コミュニティ / 地域福祉 / まちづくり / 地方都市 |
Research Abstract |
本研究は、高齢化・過疎化を示しながらも地域福祉に理解があり、福祉住環境構築を推進している和歌山県南部町[全人口8243人、高齢化率23%(全国平均17%)]や熊本県相良村[全人口5622人、高齢化率29%]と、高福祉の先進国であるスウェーデン国アルベスタ市[全人口8029人、高齢化率20%]の地域福祉整備を事例に比較検討し、地元町役場やアルベスタ市の協力を得ながら、高齢者、障害者、子供の生活実態および地域福祉ニーズを包括的に捉えることにより、わが国における高齢・過疎地域に根ざした地域福祉住環境システムのあり方を提案することを目的とする。研究の成果は、以下の通りである。 本年度は、ここ最近20年間で全人口の約1割が減少しており、今後さらに減少すると予測されている熊本県相良村において、29%という高齢化率も相まって、相良村の主産業である農業にも労働力や後継者不足等の問題、あるいは若者が都市部へ移住する等、大きな影響を与えており、相良村のような高齢過疎地域における住生活上の問題は山積していることを、アンケートおよびヒアリング調査により明らかにした。また、少子高齢化に歯止めをかけるべく建設された公営住宅では、ハード・ソフト両面から見てもコミュニティシステムの構築に必要不可欠な、交流や意見交換会の不形成、建築・医療・福祉等の専門家における連携の少なさ、住民と行政職員との効果的なつながりがはかられていないことが一要因として考えられた。他方、福祉先進国と言われるスウェーデンでは、地方分権が確立され、住生活に関してもKommun独自で効率的な社会システムを図っているが、本稿では、スウェーデンの地方都市であるAlvesta Kommunを事例とした居住環境改善例を通して、住環境システムの構築に関して、ハード・ソフト両面のあり方について検討した。その結果、(1)住民参画とボトムアップ環境の形成(2)スケールメリットとコミュニティの形成(3)既存資源の再利用等について明らかにした。
|
Research Products
(3 results)