2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本とスウェーデンの高齢過疎地域を事例とした地域福祉住環境システムに関する研究
Project/Area Number |
18560618
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
田中 千歳 Kokushikan University, 理工学部, 准教授 (30346332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
小坂田 稔 美作大学, 生活科学部, 教授 (10269988)
薬師寺 明子 美作大学, 生活科学部, 講師 (10412230)
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Keywords | スウェーデン / 高齢過疎地域 / 住環境システム / 高齢者・障害者 / コミュニティ / 地域福祉 / 持続可能 |
Research Abstract |
1.目的:本研究は、高齢化・過疎化を示しながらも地域福祉に理解があり、福祉住環境構築を推進している和歌山県南部町や熊本県相良村、および高福祉先進国のスウェーデン国アルベスタ市の地域福祉整備を事例に比較検討し、わが国における高齢・過疎地域に根ざした地域福祉住環境システムのあり方を提案する。2.結果:高齢過疎化が徐々に進行する熊本県相良村や和歌山県南部町では、労働力や次世代への後継者不足等の問題等が地域住生活に大きな影響を与えているものの、公営住宅や高齢者入居施設の建設等、少子高齢化対策やコミュニティシステムの構築として、町全体としての意欲的な取り組みが評価される。他方、スウェーデン国アルベスタ市の居住環境改善例を通して、地域住民の住環境に関する関心は非常に高く、それらが強い基盤となって福祉住環境構築の施策や建築計画に反映されるシステムが確立していることを明らかにした。これらを踏まえてわが国の地域福祉住環境システムのあり方として、(1)必要に応じて建築、医療、保健、福祉等の各種専門家が住生活上の問題に臨機応変に対応するシステムの確立。(2)入居者のみならず地域住民との憩いや交流促進につながる空間やデザインの建築計画的配慮の創出。(3)住民への地域に対する愛着と育む姿勢や意思の啓蒙普及活動、等を提案した。3.今後の課題:最近では、高齢者や障害者に配慮しつつ町の魅力化を図る住環境計画として、アルベスタ近郊でも新しい集合住宅や住宅集合が企画開発され、持続可能な町として建設されつつある。今後、福祉住環境構築を図るには、高齢者や障害者に配慮することを基盤に、これらの新しい住まい形態について、持続可能で魅力的な要素を解明し、高齢過疎地域における福祉住環境システムについて、総合的に検討する必要がある。
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