Research Abstract |
ルドルフ・シンドラーの全ての論考を対象にした分析を行い,彼が生涯をかけて追求した"Space Architecture"の建築的概念の本質を,1)「空間」という媒介の発見,2)「空間形態」,3)「空間形態」の構成法,4)「空間形態」のプロトタイプと構造,5)「文化」の課題としての「空間」,という5つの視点のもとに導き,さらにここでの検討を,申請者が従来行ってきたシンドラーの建築作品に関する検討を統合させ,彼の建築思想や建築作品の近代建築における位置づけや意義を明らかにするとともに,現代建築への貢献を導くものである. 平成18年度は,まず,分析の枠組みの検討を行った.ここでは,シンドラーの全建築論を対象に,シンドラーの建築思想の主軸となる概念を再検討し,その抽出を行った.その結果,彼の建築思想の主たる概念として,以下の5点を導いた.「空間という媒介の発見」,「空間形態」,「空間形態」の構成法,「空間形態」のプロトタイプと構造,「文化」の課題としての「空間」ついで,主概念の概念規定とその変容の概要を把握するため,シンドラーの各論考を対象に,先に抽出した主概念の概念規定の概要を把握するとともに,そうした規定の変容の概要を把握した,さらに,シンドラーの建築論の主概念間の関係を,構造化し,後の分析の枠組みとして示した. さらに上記での検討により提示された枠組みに基づき,「空間」「空間形態」といった主概念ごとに,シンドラーによる概念規定を詳細に検討を加えるとともに,主概念ごとの概念規定の変容の明確化を,概念規定の変容という視点から検討を行い,その特質を明確化した.
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