2006 Fiscal Year Annual Research Report
16世紀ネーデルランドおよびドイツにおける理想都市理論に関する研究
Project/Area Number |
18560631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉本 俊多 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (00127664)
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Keywords | ネーデルランド / ルネサンス / 都市計画 / 透視図 / グリッドプラン / 城塞都市 |
Research Abstract |
ネーデルランドの16,17世紀の都市計画、建築の理論と実践について調査するべく、オランダ数都市の現地調査、古文献調査を行い、それをもとに分析を行った。 主たる調査都市はウィレムスタッドであり、都市構造、土地区画、建築状況についての現地調査、郷土資料館における古地図収集を行い、都市形成過程の復元を行った。その結果、ネーデルランド独特のポルダーの干拓地農村において、中世後期集落がルネサンス期城塞都市に改変される過程を明らかにし、イタリア理想都市計画理論がより現実的で普遍的有効性を持つ都市計画手法に発展した実態を解明した。 他にオランダのナールデン、アルクマール、エンクハイゼン、デルフト等の都市におけるルネサンス期の都市計画ないし市街地拡張計画の実態を調査した。特にエンクハイゼンについて、中世港町を基盤に、大航海時代に港湾地区が拡大発展し、新市街地の増設が起こった実態について、図面上で分析した。そして都市計画理論家シモン・ステヴィンの理想都市理論に相当するグリッドプランの都市計画技法が実践されていた様を明らかにした。 建築家フレデマン・デ・ブリエスの透視図理論について、その理論書の図面をCAD上で復元し、ネーデルランド特有の三次元的な空間認識の実態を分析整理し、近代に続いて行く都市空間認識方法の確立について解明した。 また3年の研究計画の1年目として、オランダ人のルネサンス期都市計画理論がバルト海沿岸に展開することに関して、サンクト・ペテルブルグの都市形成過程の分析の他、予備的な資料収集を行い、次年度研究計画の検討を行った。
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