2007 Fiscal Year Annual Research Report
16世紀ネーデルランドおよびドイツにおける理想都市理論に関する研究
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18560631
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉本 俊多 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (00127664)
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Keywords | ネーデルランド / スウェーデン / 近世都市 / グリッドプラン / 運河 / 16世紀 / イエテボリ / ストックホルム |
Research Abstract |
本年度は、ネーデルランドの16,17世紀の都市計画、建築理論とその実践に関する研究の継続、およびネーデルランドの都市計画理論の影響下で実施されたスウェーデン、デンマークの都市計画についての研究を実施した。 1.スウェーデン、デンマークにおけるバルト海沿岸地域の数都市の現地調査、古地図調査 イエテボリ、ストックホルム、クリスティアンスタッド、ランヅクローナ、およびロペンハーゲンの現地調査を行い、現地の歴史的資料の資料館において古地図資料の閲覧、収集を行った。 2.ネーデルランドおよび周辺地域における近世型の都市計画・建築理論の分析 スウェーデンのイエテボリ、ストックホルム、オランダのエンクハイゼン、デン・ハーグの各都市について、収集した古地図資料および現地調査にもとづいて、都市平面図の復元と都市構造の変遷過程の分析を行った。そこで、バルト海沿岸においてハンザ都市における中世型の都市形成手法が、イタリアで発祥し、ネーデルランドで変形されて発達した近世型都市計画方法に移行した実態を構造的に明らかにすることができた。とりわけ、運河を導入した港町の都市計画手法、またグリッドプランを活用する合理的な都市計画手法の詳細な計画手法を明らかにした。またイタリアのルネサンス期透視図理論をもとにネーデルランドで普及した建築絵画表現について、CADを用いた構図復元を通して、その理論応用の実態を明らかにすることができた。 2年間の成果をもとに、最終年度となる来年度は、16世紀におけるドイツの都市計画理論とネーデルランドの都市計画理論を比較して、内陸と低地、水辺の都市計画手法の実態を解明することとする。
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