2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560648
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小島 謙一 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授 (90046095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 勝 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (80236546)
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Keywords | 転位 / 格子欠陥 / タンパク質結晶 / X-線トポグラフ / 放射光トポグラフ / ロッキングカーブ / 結晶成長 / フラットパネルセンサー |
Research Abstract |
今年度は平成18年度の科学研究費補助金により購入したフラットパネルセンサーによりタンパク質結晶の欠陥の研究に大きな貢献をすることができた。 われわれはこれまでに白色放射光トポグラフによってタンパク質結晶中の転位の観察に成功してきた。しかしながら、白色放射光トポグラフでは高次の反射を含み、分解能が十分にあがらず、転位像の巾が広くなり、明確な像を得ることができなかった。しかしながら、タンパク質結晶の場合強度が弱いために、単色放射光トポグラフの場合、ラウエ・スポットの特定が難しかった。これを解決するためにフラットパネルセンサーによってラウエ・スポットを探し、確認し、その後にフィルムによって撮影を行うことができる。それにより、正方晶、斜方晶、単斜晶リゾチウム結晶中の転位の分布、転位密度、バーガースベクトルの決定を行うことができた。とくに、今まで観察されていなかったループ状の転位や曲線状の転位、またセクターバウンダリーなどが新たに確認された。また、単斜晶リゾチウム結晶では、転位密度も高く、ベルグ効果による表面の粗さが転位の分布と対応していることがわかった。これにより結晶成長の機構と転位の分布の因果関係を推測できる。 さらに、ロッキングカーブの測定では、フラットパネルセンサーとCCDカメラを連動させることによって、今までの結晶全体のロッキングカーブから、結晶の任意の位置でのロッキングカーブが観測できるシステムの構築が可能になったことである。これにより、同一試料によってロッキングカーブの半値巾を転位の歪との一対一の対応が可能になった。 以上のような知見は大型のタンパク質単結晶の育成のための基本的なデーターとして重要になる。
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