2007 Fiscal Year Annual Research Report
低温における金属ガラス中の超音波異常伝播と構造不安定性
Project/Area Number |
18560649
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
深見 武 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (20037261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡井 大祐 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60336831)
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Keywords | 金属ガラス / 超音波音速 / 機械定数 / 超音波連続波機械共鳴 / 低温物性 |
Research Abstract |
複数のPd基金属ガラス試料を用いて、超音波音速測定から、室温での過剰自由体積の量と機械的特性との相関を調べた。また、金属ガラスの低温での超音波伝播の異常性と過剰自由体積の量との相関を調べるために、熱処理前後の試料を用いて、室温(288K)から液体窒素温度(93K)までの範囲で超音波音速の温度依存性を調べた。 熱処理により、縦弾性定数C_<11>、横弾性定数C_<44>、C_<12>、ヤング率E、剛性率Gの値は上昇し、熱処理によって変形しにくくなった。また、熱処理による密度の増加率(単位質量当りの体積の減少率=体積減少率)と機械的諸量の増加率の相関は、ポアソン比を除くと、定性的には正の相関が見られた。機械的性質の変化率が0.2%程度であったにもかかわらず、ヤング率は約3%と10倍以上の増加を示した。液体状態から急冷されて形成された金属ガラスでは、熱処理により過剰自由体積に伴う特殊な構造が変化し、機械的特性が大きく変化したと考えられる。自由体積に伴う構造の不安定さが、機械定数に大きく影響していることを示した。 弾性定数の温度依存性において、200Kから260Kまでの温度領域の音速の振る舞いは、試料ごとに異なる振る舞いを示した。しかし、いずれの試料においても、(1)温度降下とともに200K以下で音波伝播が不能になる、 (2)温度上昇に伴い約240K近傍で音波伝播が復活する、(3)240K以上の温度では温度依存性に履歴がない、等の現象は共通に観測された。また、室温と液体窒素温度間で、温度降下伴う弾性定数の増大率は、熱処理前の試料より熱処理後試料において大きかった。また、熱処理の有無に関係なくC_<44>がC_<11>より大きな温度依存性を持つ傾向を示した。C24
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Research Products
(12 results)