2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノファイバー系耐熱性電磁波吸収体の新製法
Project/Area Number |
18560650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 旭男 北見工業大学, 工学部, 教授 (60001327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 文保 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10213927)
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Keywords | 無機系多孔質成形体基材 / メタン分解反応 / 電磁波吸収体 / フィラメント状炭素粒子 / その場炭素生成 / 触媒金属微粒子 |
Research Abstract |
無機系多孔質成形体基材として、連続通気孔をもつ軽量レンガを所定の形状に切断加工したものを使用した。一例として、一辺が約1cmの立方体軽量レンガの内部空間に硝酸ニッケル水溶液を含浸後、乾燥、熱分解することにより酸化ニッケル微粒子を形成させ、次いでこの試料をメタン中におき所定反応温度まで昇温する過程でニッケル微粒子に還元し、触媒活性を発現させ、引き続きメタン分解反応を行なったところ、炭素と水素だけを生成した。 メタン分解反応停止後、炭素で覆われて黒色を呈している立方体軽量レンガを割ってみたところ、内部も黒色で炭素が期待通り生成していた。このことは、無機系多孔質成形体基材の内部に触媒金属微粒子を均一分散させ、そこにメタンガスを送り込んで分解反応を起こさせれば、その場で炭素粒子を生成充填させる事ができることを実証している。この炭素粒子は、グラファイトとは異なり乱層構造を有し、大部分がフィラメント状であった。 立方体軽量レンガ、及び炭素粒子が充填された立方体軽量レンガを並べて電子レンジに入れ、2.45GHzの電磁波を照射したところ、後者は電磁波を吸収して赤熱状態になることもあったのに対して前者は約70℃止まりであった。 上記の実験において硝酸ニッケル水溶液だけを硝酸鉄水溶液に置き換えてみたところ、立方体軽量レンガの外表面及び内部にフィラメント状炭素粒子を形成させることが出来た。 触媒金属硝酸塩溶液の濃度を高くし、無機系多孔質成形体基材内部に生成される触媒金属微微粒子を多くし過ぎると、炭素蓄積が進み過ぎて成形体が割れてしまうことがわかった。また触媒金属硝酸塩水溶液を含浸した後の乾燥条件が不適切な場合には、触媒金属微粒子が基材の外表面に偏在することがあり、そのままメタン分解反応を起こさせても、基材内部の炭素蓄積が進まず、理想的な電磁波吸収体における炭素粒子濃度分布とは逆になる事が明らかになった。
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