2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインデンテーション挙動の逆解析による変形・破壊パラメータ推定法の開発
Project/Area Number |
18560652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (40231807)
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Keywords | セラミックス / 力学特性 / ナノインデンテーション / 硬さ / プラズマ陽極酸化 |
Research Abstract |
本研究ではコンピュータシミュレーションと逆問題的手法を併用することにより,既存の圧子力学にも力学モデルにも依存しない全く新しい解析方法の開発に挑戦し,材料の局所的な変形や破壊に関する力学特性を高精度にナノインデンテーション挙動から導出することを目的とじている.本年度は有限要素法を用いてインデンテーション挙動のデータベースを一部構築した.その結果,完全弾性体および弾塑性体について,インデンテーショシ負荷挙動からヤング率とポアソン比,インデンテーション負荷挙動と除荷挙動から降伏応力と加工硬化係数が導出できることを見出した.この解析法の有効性は一連の金属材料に対する実験により検証した.これらの結果をまとめて現在論文執筆中である.また,薄膜の力学的性質をナノインデンテーション法で評価し,評価される特性の推定精度から,評価法の妥当性を検証することも本研究の目的である.薄膜ノ基板系の有限要素法シミュレーションについては本年度着手したばかりである.実験としては「バルブ金属上のプラズマ隣極酸化皮膜作製」にチャレンジし,アルミニウムに対してプラズマ陽極酸化したところ,生成した酸化物皮膜が結晶化し,さらに条件をコントロールすれば力学的特性に優れたα-アルミナが析出することが明らかとなつた.生成した酸化物膜の力学的特性をナノインデンターで評価したところ,α-アルミナが析出した場合,アルミナ焼結体に匹敵する高い硬さが得られることを明らかにした.
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