2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造制御酸化物多孔体の生成メカニズム解明と触媒担体としての応用
Project/Area Number |
18560655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上野 俊吉 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助手 (60339801)
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Keywords | セラミックス多孔体 / 高次構造制御 / ロータス型ポーラスアルミナ / 一方向凝固 / 高配向性 / 光学式浮遊帯域溶融法 |
Research Abstract |
セラミックス多孔体の高次構造制御技術に関して、本年度は装置の開発・改良を進めるとともに、多孔質構造が高度に制御(高次構造制御)されたロータス型ポーラスアルミナの作製手法を確立することができた。今年度得られた主な成果を以下に示す。 1.高次に構造が制御されたセラミックス多孔体を作製する目的で、現有する光学式浮遊帯域溶融装置を高圧水素の仕様に改良した。改良した装置は10気圧までの高圧水素仕様であり、系内が一定の水素圧力に保たれるよう、ガス導入部とガス排出部に圧力制御弁を取り付けた。安全装置として水素ガスセンサーを装置に取り付け、また、軸すべりのストッパーを取り付ける改良を行った。 2.改良した光学式浮遊帯域溶融装置を用いて、加圧水素ガス雰囲気下での一方向凝固により、気孔が一方向に揃った高配向性気孔を有するロータス型ポーラスアルミナの作製に成功した。溶融・凝固の過程において、水素ガスがアルミナ融液に溶解し、凝固時に固相に溶解できない水素ガスが固液界面で放出され、多孔質アルミナ凝固材が得られる。凝固を一方向に行わせるため、気孔が凝固方向に揃ったロータス型ポーラスアルミナが形成される。 3.水素圧および水素分圧を制御することにより気孔率および気孔径を精度よく制御する技術を確立した。液相に溶解する水素量はSieverts'の法則に従い水素分圧の増加とともに増加するため得られる多孔体の気孔率は水素分圧により制御することができる。また同時に、気孔内の圧力はBoyleの法則に従い全圧の増加とともに増加し体積が減少するため、気孔率は全圧とともに減少する。したがって、得られる凝固材の気孔率および気孔径は水素分圧および全圧により制御することができる。 4.原料棒にシリカを不純物として添加することにより、シリカの添加量に伴って得られる凝固材の気孔率を増加させることに成功した。
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Research Products
(3 results)