2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造制御酸化物多孔体の生成メカニズム解明と触媒担体としての応用
Project/Area Number |
18560655
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上野 俊吉 Osaka University, 産業科学研究所, 特任准教授 (60339801)
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Keywords | 一方向凝固 / 酸化物多孔体 / 水素ガス溶解度差 / 構造制御 / 組織制御 |
Research Abstract |
酸化物を水素ガス雰囲気下で一方向に凝固させると、融点における液相と固相の水素ガス溶解度差に基づいて固相に溶解しきれない水素が固液界面で固相から放出されることにより、一方向に伸びた方向性気孔を有する酸化物多孔体が形成されることを見出した。原料に含まれる不純物の種類および量を変化させることにより気孔形態が大きく変化することがわかった。具体的には、シリカを原料に添加すると、凝固材の気孔率が増加し、カルシアを添加すると気孔の位置の分布が均質化する。また、意識的にガラス成分を不純物(カルシアとシリカを一緒に添加)として原料に添加して一方向凝固を行うと、粒界ガラス相がIn-situで凝固材に形成され、強度が向上することがわかった。高温でガス化するマグネシア成分を原料に添加することにより形成される気孔形態がバイモーダルになることが明らかになった。このように、原料に添加する不純物の種類及び量により、得られる酸化物多孔体の気孔率や気孔分布および組織を制御することが可能であり、組織制御により特性向上を図ることができた。 気孔は固液界面で液相を介して形成されるため、気孔率はボイルの法則にしたがって全圧の増加とともに減少する。また、融点における固液相間の水素ガス溶解度差は、ジーベルト則に従って雰囲気の水素ガス分圧に依存することなど、方向性気孔を有する酸化物ポーラスセラミックスの気孔形成メカニズムを明らかにした。 気孔形態制御は、原料に添加する不純物の種類と量および雰囲気ガスの圧力と分圧の他に、凝固速度によっても気孔率及び気孔形態を制御可能であることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)