2006 Fiscal Year Annual Research Report
3D細孔路を有する緻密ゼオライト体の緻密化挙動解明と特性評価
Project/Area Number |
18560658
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中平 敦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172387)
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Keywords | ゼオライト / 細孔 / 緻密 / 水熱 / ネットワーク |
Research Abstract |
従来からCVD法等の薄膜合成が試みられたが,ピンホールや欠陥が多く、更にはバルク化と緻密ゼオライトの作製法は皆無であった.また、そのゼオライトバルクの作製は困難であった。今回の研究から、改良型水熱法の一つである水熱ホットプレスにより、ゼオライトのバルク化を試みた。具体的には市販のY型ゼオライトおよび自ら各組成のY型ゼオライトを合成し、それら各種ゼオライト粉末を用いて,キャラクタリゼーションを行った.次いで合成および市販の各種ゼオライト粉末を用い,水熱ホットプレス装置を用いて水熱ホットプレス(HHP)条件(温度,圧力,昇温・降温プロセス,水熱に必要な水量,溶媒の種類)の検討を行った溶媒はNaOH溶液あるいは脱イオン水を加え、110〜250℃の温度で水熱条件を実現しながら,5MPa〜60MPaの加圧下で保持下、その結果、最適な合成条件の下でHHP処理を行なうことで、ゼオライトのバルク体の緻密化が進行することが明らかとなった。SEM観察などから、最適な合成条件の下できわめて緻密なゼオライトバルクが得られることが判明した。また、そのバルク体は、緻密バルク体でありながらも比表面積も500m2/gを超える大比表面積を示し、強度も向上した。したがって、バルク体全体で細孔ネットワークが連結した3D細孔路を有する緻密ゼオライト体が得られる条件を明らかに出来た。また、水熱下での溶解析出メカニズムにより緻密化が進行していることが示唆された。 このようにゼオライトは全て薄膜や粉であったため測定困難であったゼオライト本来の各種物性を測定することが不可能であったが、バルク状ゼオライトが得られるとそれらゼオライト本来の各種の真の物性を測定することが可能となり、ゼオライト材料設計の上でも学術的に重要な研究と位置づけられるので、H19年度は、引き続きこれらゼオライトバルク体を用いて、その物性評価を進める予定である.
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