2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波誘電体ペロブスカイトの同形イオン置換法に基づく材質設計図の作成
Project/Area Number |
18560660
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 博行 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (30016612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (70288215)
中野 裕美 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (00319500)
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Keywords | 誘電体物性 / セラミックス / 移動体通信 / イオン結晶 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
1.(Sr_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/2>Nb_<l/2>)O_3系、および(Sr_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/2>Ta_<1/2>)O_3系の作製とそのマイクロ波誘電性 当年度行ったこれらの研究と前年度の研究とから、(A_<1-x>A'_x)(SC_<1/2>Nb_<1/2>)O_3系および(A_<1-x>A'_x)(Sc_<1/2>Ta_<1/2>)O_3系(いずれも(A,A')=(Ba,Sr),(Ba,Ca)または(Sr,Ca))におけるAサイトアルカリ土類イオンの組成比とマイクロ波誘電性との関係を概観できるようになった。すなわち、比誘電率の組成変化の線形則からの逸脱率はAサイトイオンの半径差が大きいほど大きく、(Sr,Ca)の組み合わせではほぼ線形則に従った。(Ba,Ca)の組み合わせではxが0.1でQf値が急減するが、(Ba,Sr)ではQf値の減少量は小さく、(Sr,Ca)では前二者と比較して組成変化は小さかった。以上の傾向は二系に共通であった。Nbを含有する系とTaを含有する系を比較すると、Aサイトイオンの組み合わせに関係なく、前者よりも後者の方が比誘電率は大きく、しかし、その線形則からの逸脱率はほぼ同程度であり、また、Qf値は小さかった。 2.(Ba_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/2>Nb_<1/2>)O_3系における特異な微細組織の詳細な観察と分析 組成x=0.35〜0.50の試料についてSEMおよびEDXで詳細に分析し、次の特異な微細組織を見出した。x=0.35では仕込み組成の主結晶粒、粒界に一様に存在するBa-rich相、粒界三重点に局在するCa-rich相が見出された。x=0.45では同様組織だがCa-rich相の生成量は減少していた。x=0.50では主結晶粒内に組成分布が見られ、粒界およびその三重点にBa-rich相とCa-rich相が斑に共存していた。またいずれの試料にもSc_2O_3の微細粒子が点在していた。
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