2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波誘電体ペロブスカイトの同形イオン置換法に基づく材質設計図の作成
Project/Area Number |
18560660
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 博行 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (30016612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (70288215)
中野 裕美 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (00319500)
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Keywords | 誘電体物性 / セラミックス / 移動体通信 / イオン結晶 / 格子欠陥 / 焼結体微細組織 |
Research Abstract |
平成20年度は本研究で最も注目してきた(Ba_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/12>Nb_<1/2>)O_3、(Ba_<1-x>Sr_x)(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3および(Sr<1-x>Ca_x)(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3の各組成系セラミックス作製とマイクロ波誘電性を主に研究した。 (Ba_<1-x>Ca_x)(Sc_<1/2>Nb_<1/2>)O_3系の大要は既に報告している。なお、同置換系は全域連続固溶体が生成することがほぼ確実であり、イオン半径が大きく異なるBa^<2+>とCa^<2+>イオン間のこの一事だけでも驚愕の現象である。そこで、組成を0.35≦x≦0.50に限定し3人が独立に同一方法にて実験した。これにより基本的には既報告諸特性を確認したが、それに加え次などが明らかになった。即ち、 (1)粉末X線回折図形に0.35≦x≦0.44では感度0.3%でも第2相の存在が認められないが、x=0.47,0.50では最強線の1.5%程度の第2、第3相ペロブスカイトが共存した。目的組成よりBa^<2+>イオンが多いのと少ない、計3組成ペロブスカイトが生成との粉末X線回折につき、3人の結果が完全に一致した。 (2)焼結体微細組織につきSEM, BSE, EDX組成分析、ラマン散乱などでキャラクタライズした。結果を得た二人が一致したのではないが、 SEM像で0.35≦x≦0.50の6個中のある組成のだけが顕著に他5個の像とは異なるという、以前の体験が再現した。本組成では実験操作の微妙な差異で、焼結体内部組織が顕著に変化すると判明した。 (3)内部組織の不連続変化が誘電特性に反映されるかに注目した。その結果、同組成範囲での誘電特性の不連続な変化の存否を、本研究で結論つけることは出来なかった。 (Ba_<1-x>Sr_x)(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3および(Sr_<1-x>Ca_x)(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3系のマイクロ波誘電性は既報告(Ba_<1-x>Ca_x)(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3と併せて整理する計画であるが、平成20年度では不明部分を残してしまった。
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