2007 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性を有する高性能新圧電スマートデバイスの創製
Project/Area Number |
18560672
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
浅沼 博 Chiba University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40167888)
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Keywords | 圧電セラミックス / インテリジェント材料 / 金属系複合材料 / センサー材料 / アクチュエータ材料 / 多機能材料 |
Research Abstract |
本研究では多機能性を有する新しい高性能圧電デバイスの創製を目的に、電極を内部に有する圧電ファイバをアルミニウムに複合化したタイプの新デバイスの作製を試み、以下の成果を得た。 1)金属コア圧電ファイバを界面層形成・接合法により、比強度・信頼性に優れるアルミニウムに損傷無く複合化することに成功したが、実用的なパッチ型デバイスの創製を目的として薄型化した場合、圧電ファイバ近傍に脆弱な合金やボイド等の欠陥が残留するという問題を生じた。そこで、圧電ファイバ近傍の組織改善を行うための複合化プロセスを新たに開発し、欠陥の除去に成功した。本圧電デバイスの振動試験による出力電圧は、金属コアのセンタリングによる効果も合わせると、従来の約6倍に向上した。 2)アルミニウムマトリックスにより圧電ファイバに作用する圧縮残留応力を電子線モアレ法を用いて実測し、圧電ファイバが約1GPaという非常に高い圧縮応力を受けていることを実証した。さらに、熱処理により圧縮残留応力を緩和した圧電デバイスと出力電圧を比較し、圧縮残留応力が圧電ファイバの出力電圧に及ぼす影響を検討した結果、この圧力は電圧出力の障害に全くなっていないことを明らかにでき、有効に作用していることがわかった。 3)金属コア圧電ファイバに比較して価格が約1/10の中空圧電ファイバをアルミニウムに複合化する方法・条件を検討した結果、複合化と同時に金属コアを形成することに成功した。本方法で作製したデバイスは、金属コア圧電ファイバを用いたデバイスと同様に、衝撃パルスに対する高い出力電圧応答特性を示した。
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