2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ有機層を用いたセラミックスの力学特性のハイパフォーマンス化手法
Project/Area Number |
18560673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
劉 玉付 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員助教授 (80354223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, 複合材料グループ, 主幹研究員 (60343844)
垣澤 英樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 複合材料グループ, 主任研究員 (30354137)
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Keywords | 強度 / 靭性 / 破壊 / バイオ材料 / 積層材料 |
Research Abstract |
日本沿岸産のメガイアワビを用い、貝殻真珠層の積層面に垂直な方向に引張試験、引張破壊試験を行い、基礎的な力学特性データを取得した。また、破面の走査型電子顕微鏡観察を行い、破壊が板状アラゴナイトの破断ではなく、板状アラゴナイトの引き抜けによって生じることを確認した。このことから、積層面に垂直な方向に引張荷重を加えた際の主要な高靭化メカニズムは板状アラゴナイトのプルアウトであり、界面有機層による引き抜け抵抗の適切なモデル化が非常に重要であることがわかった。 人工的に製作可能の有機-無機積層材料中の無機セラミックスについて、材料表面から生じる微小亀裂の分子動力学モデルを開発し、分子動力学のシミュレーションプログラムをほぼ完成し、計算プログラムの作動状況を確認できた。微小亀裂の深さが数ナノメートル以下では、亀裂による破壊が非常に進みにくく、これは無機セラミックスのアルミナのイオン結合によるものと考えられた。
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