2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨質評価法を用いたラット成長期下顎骨の骨質解析
Project/Area Number |
18560677
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤谷 渉 大阪大学, 大学院工学研究科, 技術專門職員 (90379149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴由 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30243182)
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00029216)
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Keywords | 骨質評価 / ラット下顎骨 / 生体アパタイト / c軸配向性 / X線回折 / in vivo応力分布 |
Research Abstract |
硬組織の力学機能は、骨量そして骨質によって支配されている。我々は、咀嚼開始から成熟期にいたるまでのラット下顎骨に注目し、成長にともなう皮質骨体積、骨密度など骨量の変化とともに、生体アパタイト結晶のc軸分布、すなわちc軸配向性に代表される骨質について詳細な解析を行った。本年度は材料工学分野で用いられている高度な材料開発、評価技術を生命医学分野への適応を試み、新規骨質評価法により骨質解析を行った。その結果、pQCT定量画像および反射型および透過型微小領域X線回折測定などの解析結果をもとに以下の知見を得た。 1.成長期において、皮質骨における平均の断面積、骨密度そしてc軸配向性は上昇した。 2.c軸配向性は下顎骨の近遠心方向に主軸をもって変化し、同一下顎骨においては近心側、遠心側で骨密度、c軸配向性の変化程度が異なった。 3.同一断面において、骨密度とc軸配向性には著しい部位依存性が認められた。そして、咀嚼荷重の影響の有無により近遠心方向への一軸配向の場合と2次元配向の場合が認められた。 4.成熟期において骨質(骨面内配向性)の低下が認められた。 以上の定量的な解析結果から骨面積、骨密度そしてc軸配向性は下顎骨の成長・咀嚼にともなう複雑なin vivo応力状態とよく対応していることが理解できた。このような結果は本解析手法の生体骨評価に対する有効性を示すものである。さらにこのような原因を解明するため、モデリングモデルとしての成長期ラット下顎骨の骨量・骨質について、詳細な解析をすすめるとともに、リモデリングモデルについても検討を加える必要性から、調査範囲を少し広げて、ビーグル犬の下顎骨およびその抜歯モデルを作製し、成長および咀嚼の効果についての解析もすすめつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] 生体材料最適形状設計のための金属インプラント周囲ならびに一方向性孔内部に導入される新生骨の骨質評価2007
Author(s)
石本卓也, 中野貴由, 寒知子, 大橋芳夫, 藤谷渉, 馬越佑吉, 服部友一, 樋口裕一, 多根正和, 中嶋英雄
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Journal Title
日本金属学会誌 Vol.71,No.4(in press)
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