2006 Fiscal Year Annual Research Report
遮熱コーティングシステムの熱機械的損傷メカニズムの解明と損傷抑止策の提案
Project/Area Number |
18560678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 智 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 准教授B (80260785)
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Keywords | 高温材料 / 遮熱コーディング / 損傷解析 / 溶射 / その場観察 |
Research Abstract |
信頼性と耐久性に優れた高性能の遮熱コーティング(TBC)システムの設計・開発に向けて,実用上問題となる熱機械的負荷条件下におけるTBCシステムの損傷劣化メカニズムを解明することが不可欠である.本研究では,熱機械的負荷条件下におけるき裂発生・進展挙動をコーティング微構造と関連づけて究明するために,本年度は種々の力学的負荷条件下で試験可能なTBCシステム損傷挙動その場観察装置を設計・開発するとともに,特殊形状のTBCシステム試験片を考案し,作製した.すなわち, (1)TBCシステム損傷挙動その場観察装置の設計・開発 現有の電気油圧式疲労試験機に最新の疲労試験機用制御装置を取り付けて試験機をリフレッシュし,これに設計・作製した冶具等を用いて加熱用小型イメージ炉とCCDカメラ付光学顕微鏡などを組込み,室温から900℃程度の温度範囲で,多種多様な負荷波形の動的負荷条件下におけるTBCシステムの損傷挙動その場観察装置を作製した. (2)TBCシステム試験片の作製 基材合金として高強度Ni基超合Mar-M247LCを用い,平行部が矩形断面からなる特殊形状の丸棒試験片を機械加工後,ボンドコートとしてCo-32Ni-21Cr-8Al-0.5Y(mass%)合金粉末を減圧プラズマ溶射し,トップコートとしてZrO_2-8mass%Y_2O_3粉末を大気プラズマ溶射によって成膜した,この際,溶射原料粉末の製造方法や溶射条件を変化させてコーティング微構造が異なる数種類の試験片を準備した. (3)基礎実験 開発した試験装置の動作確認および操作の習熟を図るために,基材合金単体からなる試験片を用いて,負荷波形の追従性,加熱炉内の均熱性,観察条件などを確認し,試験装置の性能を把握するとともに,評価試験方法を決定した.これらを踏まえて次年度は,TBCシステム損傷挙動その場観察試験を本格的に実施する.
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