2007 Fiscal Year Annual Research Report
遮熱コーティングシステムの熱機械的損傷メカニズムの解明と損傷抑止策の提案
Project/Area Number |
18560678
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 智 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 助教 (80260785)
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Keywords | 高温材料 / 遮熱コーティング / 損傷解析 / その場観察 |
Research Abstract |
先進型発電用ガスタービンの高温部材では,遮熱コーティング(TBC)システムは必須の要素となっており,信頼性と耐久性に優れた高性能なTBCシステムの設計・開発に向けて,実用上問題となる熱機械的負荷条件下におけるTBCシステムの損傷劣化メカニズムを解明することが不可欠である. 本研究では,まず種々の機械的負荷条件で試験可能なTBCシステム損傷挙動その場観察装置を設計・開発した.これを用いてコーティング微構造の異なる各種TBGシステムを対象に静的なクリープ負荷や動的な疲労負荷などにおけるTBCシステムのき裂発生および進展挙動を室温ならびに高温下で綿密に調べ,温度,負荷条件ならびに,コーティング微構造と関連づけてき損傷メカニズムを解明し,その抑止策を検討した.得られた結果を要約すると以下の通りである. 1.クリープ負荷条件下において,TBCシステムは基材合金内部で発生した粒界き裂が成長・合体して最終破断に至る典型的クリープ損傷の様相を呈する.これは,ボンドコート層の延性-ぜい性遷移温度以上の試験温度では,ボンドコート層の塑性流動に起因した応力緩和効果によって,トップコート内に発達した巨視き裂のボンドコート層や基材合金内部への進展が抑制されるためである. 2.疲労負荷条件下におけるTBCシステムの損傷劣化挙動は,トップコート微構造およびトップコート/ボンドコート界面の幾何学的形状に強く依存し,いずれのTBCシステムにおいても,ボンドコート層の延性-ぜい性遷移温度に依存せず,界面の凹部やトップコート貫通き裂先端部から疲労き裂が発生する傾向にある.
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Research Products
(1 results)