2006 Fiscal Year Annual Research Report
準結晶粒子分散Al-Fe-(Cr,Mn,V)-Ti系合金粉末冶金材の耐熱強度
Project/Area Number |
18560687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00161571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明久 東北大学, 総長 (10108566)
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Keywords | 準結晶 / アルミニウム合金 / 液体急冷 / 粉末冶金 / 耐熱強度 |
Research Abstract |
申請者は引張試験が出来ない程、脆いと言われていた非晶質Al合金を、1987年に緻密な合金設計によって超ジュラルミンに匹敵する引張強度を持つ粘い非晶質Al-Ni-(Si, Ge)合金の開発に成功した。これを契機として、液体急冷法や粉未冶金法による非平衡・準周期構造、ナノ非平衡・準周期構造、ナノ結晶粒子分散構造を持つ高強度Al合金の開発が活発に行われるようになってきた。中でもナノ結晶粒子分散Al合金の高強度特性を利用して、「ギガス」の商標名で製品化されるに至っている。本研究では、準結晶粒子分散Al-Fe-(Cr, Mn, V)-Ti系合金粉未冶金材の耐熱強度を調べることを目的としている。 本年度は、液体急冷法および粉末冶金法で作製したAl-Fe-Cr-Ti-M(M: Co, Mo)合金およびAl-Fe-Cr-Mo-Ti-Co合金の組織と機械的性質を調べ、下記の研究成果が得られた。 1)Al-Fe-Cr-Ti合金の過冷却状態の安定化には、Coを添加したAl-Fe-Cr-Ti-Co合金が最適であった。 2)Al-Fe-Cr-Ti合金の準結晶の形性能を向上させるには、Moを添加したAl-Fe-Cr-Ti-Mo合金が最適であった。 3)本開発したナノ準結晶粒子分散Al-Fe-Cr・Ti-Mo合金粉未冶金材の573Kおよび673Kの最大引張強度(σUTS)は、それぞれ350MPa、200MPaであった。これらの値は、従来材の耐熱Al合金よりも大きかった。 4)ナノ準結晶粒子分散Al-Fe-Cr-Ti-Mo合金粉末冶金材の673Kでの圧縮加工は良好であり、組織も安定していた。本開発合金が、673Kで安定した組織を維持し、加工が出来ることから、製品化の可能性が出てきた。
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