2007 Fiscal Year Annual Research Report
準結晶粒子分散Al-Fe-(Cr,Mn,V)-Ti系合金粉末冶金材の耐熱強度
Project/Area Number |
18560687
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 久道 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (00161571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 総長 (10108566)
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Keywords | 準結晶 / Al合金 / 液体急冷 / 粉末冶金 / 耐熱強度 |
Research Abstract |
具体的内容:高耐熱強度Al合金を作製するための合金設計は、Al-Fe-Cr-Ti合金を基本組成として、長範囲の原子再配列を困難にさせるため、1)構成元素の原子サイズが大きく離れていること、2)多元化にすること、3)元素間の混合熱が負になること、および4)小さい拡散係数を持つ元素を添加することを考慮して行った。その結果、液体急冷したAl-Fe-Cr-Ti-Co-Mo合金で、fcc-Al相中に微細準結晶粒子が分散する組成範囲があることを見出した。これら組成(Al量が93〜95at%)の急冷凝固粉末を、押出し温度:673K、押出し比:11で作製した粉末成形(PM)材の573Kおよび673Kにおける引張強度(σUTS)は、それぞれ300MPa以上および150MPa以上であり優れた耐熱性を示した。透過電子顕微鏡組織は、fcc-Al相中に100nm前後の熱的に安定かつ高硬度の準結晶粒子が分散しており、これが高耐熱強度に寄与していると考えられる。中でもAl_<93>Fe_<2.45>Cr_<2.45>Mo_<0.5>Ti_<0.8>Co_<0.8>合金PM材の573Kおよび673KにおけるσUTSは、それぞれ364MPaおよび203MPaを示した。 意義:Al合金の耐熱強度の開発目標値が、573Kで300MPa以上であり、本開発Al_<93>Fe_<2.45>Cr_<2.45>Mo_<0.5>Ti_<0.8>Co_<0.8>合金PM材のそれは大きく上回っており、目標を充分に達成できた。 重要性など:本開発Al合金は軽量で、高耐熱強度を持っており、輸送機械用材料の高温部に使用することにより、燃費向上を計ることができ、環境問題解決のための-材料として、非常に重要な意義がある。
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