2008 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス・ナノ2相変調構造を有する無電解析出コバルト系合金膜の創製と応用
Project/Area Number |
18560699
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松田 均 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (60118015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重 真治 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00239716)
福室 直樹 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10347528)
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Keywords | 無電解めっき / アモルファス / ナノ結晶 / 傾斜構造膜 / 磁気履歴曲線 / 保磁力 / 変調構造 |
Research Abstract |
めっき膜は、金属学的には非平衡状態にあると考えられ、アモルファス相、アモルファス-結晶質から構成されるナノレベルの変調構造など、バルク金属では見られない興味ある構造を示すことを既に明らかにした。これらの成因について、これまで、金属元素以外では、PやBなどのメタロイドの影響が議論してきた。しかし、未解明な点が多い。今年度は、これまであまり注目されることのなかった膜中の微量元素、特に炭素や水素が膜構造に与える影響について検討することを主題とした。 まず、微量元素の影響を調べるため、高純度のめっき膜を得る必要がある。そこで一般的には複雑であるめっき浴組成を単純化し、金属塩、還元剤とpH調整剤のみとして、 Co-P系めっき浴を新しく開発した。このめっき浴から得られた膜についてリン含有量を変化させたり、金属塩を添加するなどしてめっき膜の変化を観察した。次に開発しためっき浴にギ酸を添加した際、構造に大きな変化が見られたことから、炭素に注目し、研究を進めた。ここではより純粋な系で考えるために電析コバルトにギ酸を添加していくことで、炭素がめっき膜に与える影響について検討した。一方、 DMABを還元剤とするめっき浴から未知の相を含むめっき膜が得られ、同相を準安定相であるcubicε-Coであると同定した。このε-Coは水素と関連性が強いと予想されたことから、無電解および電析めっき膜中の水素の分析を行い、めっき膜が多量の水素を含み、また、水素が構造に影響を与えていることを明らかにした。
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Research Products
(19 results)