2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560701
|
Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
下条 雅幸 Saitama Institute of Technology, 先端科学研究所, 准教授 (00242313)
|
Keywords | 金属材料 / ナノ材料 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
目的の場所ヘサイズや形状を制御して、ナノ構造を作製できる方法として電子線誘起蒸着法(EBID)がある。この手法を用いてFeやその他の金属ナノドットを作製して、加熱することにより、合金ナノ構造物が作製できると考えられる。そのときの基板の種類、金属の蒸着量、熱処理温度によっては、単なる合金だけでなく金属間化合物が生成することも予想される。そこで、基板に金属を用いてEBIDで金属ナノ構造を作製し、その後に熱処理をすることにより、FePt等の金属間化合物ナノドットを基板上に配列する技術を確立することを目的として研究を行った。 一般にEBIDでFeやPtを堆積させるためには、それぞれFe (CO)_5および(CH_3)_3(CH_3-C_5H_4)Ptを原料として用いる。まず、EBIDによりFeナノ構造物を作製し、その上に通常の方法でPtを蒸着し、その後熱処理をすることでFePt_3金属間化合物ナノ構造を作製することに成功した。また、Feを含む原料とPtを含む原料を同時に用いてEBIDを行い、その後熱処理することで、FePt金属間化合物ナノ構造を作製することに成功した。しかし、このナノ構造物は、原料から混入する炭素を多量に含んでおり、純度の向上が今後の課題であると考えられた。 そこで次に、EBIDで作製したナノ構造物の純度を向上させるため、作製後に熱処理をする方法および作製時に原料に水蒸気を混合する方法ついて研究を行った。その結果、どちらの方法でも混入する炭素量を減らすことができた。 本年度も引き続き、純度を向上させるため、いくつかの方法を試した。それらの方法のうち、酸素プラズマやオゾンを用いた純度向上については、あまり効果が得られなかった。しかし、炭素を含まない、無機系原料であるPt(PF_3)_4を用いたEBIDにおいて、純度の高いPtナノ構造を作製できた。
|