Research Abstract |
犠牲層エッチング技術による異種薄膜ボンディング技術は,化合物半導体薄膜材料を任意の基板上にボンディングでき,化合物半導体光,磁気センサーと電子デバイスとの複合集積化に使用されている,しかし,薄膜は数μmで,非常に薄くて,柔らかく,実装技術のように大量生産が困難である.H18年度では,大量生産ができるために,犠牲層エッチングにおける保護膜と支持膜としての役割を果たすために,感光性フィルムを使用した.感光性フィルムはテープ状フォトレジシストで,任意の材料とサイズの基板上へ均一にラミネート可能であることや,厚さが数十μmあることから半導体薄膜のストレスを有効に制御できる.われわれは感光性フィルムを用いた薄膜ボンディングプロセスを新たに提案し,ラミネート条件である圧力,速度,熱処理温度,時間などを検討した.また,フォトリソグラフィとエッチング条件の検討も行った.さらに,直接と間接ボンディング条件も検討し,ボンディングした薄膜の結晶性も評価した.結果として,GaAs薄膜厚さは500nmの場合,厚さが25μmの感光性フィルムは薄膜の応力制御に一番適し,このとき,最小のパターンニングサイズは0.5mm×0.8mm,一度に50個分をLiNbO_3基板上にボンディグできる,また,ボンディングする際の条件に関して,X線の結果より,接着剤無しの直接ボンディングでは,加圧条件が異なっても均一性や結晶性に大きな違いは現れなかった.この結果は感光性フィルムの朔性と弾力性が圧力の平均化に寄与し,加圧が均一に行なわれたためと考えられる.また,水ガラスを使用した間接ボンディングでは,直接ボンディングより均一で結晶性の劣化が少ないことを示す結果となった.超音波による破壊試験の結果から,ボンディングしたGaAs薄膜は基板から剥れたり,亀裂が入ったりすることはなかったため強い接着力を有していることがわかった.
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