2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動堆積法によるセラミックス精密成形技術の確立に関する研究
Project/Area Number |
18560706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (90354216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古海 誓一 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 研究員 (30391220)
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50267407)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, センター長 (00354217)
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Keywords | 電気泳動堆積 / サスペンション / 成形 / リン酸エステル / ポリピロール / アルミナ |
Research Abstract |
本研究では、複雑形状や微細パターンを有するセラミックス材料を基材とし、電気泳動堆積法を用いてその形状やパターンが精密に転写されたセラミックスを作製する技術の確立を目的とする。そのために(1)EPDプロセスに適したサスペンション調製法の確立(2)導電性の無い複雑形状の基材にセラミックの厚膜(〜mm)を均一に形成する技術の確立(3)導電性の無い任意セラミック基材上への導電性ポリマー電極のパターニング、及びその電極上への粒子堆積パターン膜形成技術の確立の3点を具体的な研究目標としている。平成18年度は、(1)EPDプロセスに適したサスペンション調製法(2)導電性の無い複雑形状の基材にセラミックの厚膜(〜mm)を均一に形成する技術の2点の確立を目指し研究を進めた。結果の概要は以下の通りである。 溶媒にエタノール、添加剤にアルキル鎖長や構造の異なる3種類の酸性リン酸エステルを用い、リン酸エステルの構造の差異がアルミナ、ジルコニア等のサスペンションの安定性や、EPD堆積体の成形密度に及ぼす影響について検討した。いずれのリン酸エステルでもゼータ電位は80mV以上を示したが、鎖長の長いブトキシエチルアシッドフォスフェートを用いたサスペンションで最も高い安定性が認められ、立体反発効果によるものと考えられた。また、EPD堆積体の相対密度はおよそ60%にも達し、水系に匹敵する高い成形性を示した。 非導電性セラミックスに導電性を付与しEPDプロセスの基材とするため、セラミックス表面へのポリピロールのコーティング条件の最適化を検討した。酸化剤APSとドーパントNDAを溶解した水溶液にアルミナまたはガラス基材を浸漬後、溶液を0℃に冷却、攪拌しながらピロールを添加することで、基材表面にポリピロールが均一に被覆できた。ポリピロール膜上への粒子堆積性は良好で、堆積体を基材から剥離せず焼成することにより、基材表面の凹凸をよく転写した自立膜が作成できた。
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