2007 Fiscal Year Annual Research Report
極薄肉球状黒鉛鋳鉄の強度特性評価および信頼性向上法の確立
Project/Area Number |
18560708
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野口 徹 Hokkaido University, 名誉教授 (80001220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30237408)
堀川 紀孝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80344480)
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Keywords | 鋳造 / 球状黒鉛鋳鉄 / 薄肉 / 強度評価 / 引張強さ / 伸び / じん性 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
球状黒鉛鋳鉄鋳物の薄肉化軽量化は、鋳物の高機能化、省エネルギー化の観点から喫緊の課題である。その実用化には、強度を評価し信頼性を保証するが要があるが、薄肉鋳物からは標準寸法の試験片が採取できない。本研究は肉厚2mm以下の小寸法の試験片で、静的強度、じん性、疲労強度を評価する手法を確立しようとするものである。 (1) 引張特性の評価薄肉鋳鉄用試験片として、厚さ2mm、幅4.5mm、標点距離12mmの板状試験片を提案した。これによって、直径14mmの試験片と同等の引張強さ、伸びを求めることができる。伸びは応力-伸び曲線の計測による。引張強さはロックウエル硬さHRBからも推定できる。 (2) じん性の評価法じん性評価法として10×10×0.5(mm)の試験片によるスモールパンチ試験(SP試験)を用いた。荷重-変位曲線からき裂発生点変位δ^*を決定し、算定される破壊等価ひずみε_<qf>から破壊じん性値J_<IC>を求めることができる。J_<IC>はHRBからも推定できる。 (3) 疲労特性の評価薄板状の試験片で、応力比R=-1.0の軸力(引張圧縮両振り)疲労試験を行う必要があるとの結論に達し、これを実施するための試験機と掴み治具を開発した。これにより、鋳肌からの亀裂の発生-初期伝播-定常伝播の過程を詳細に検討することができる。また、通常の溶湯処理で薄肉球状黒鉛鋳鉄を得る鋳造方案を考案した。 (4) 非破壊評価渦電流法により、非破壊で硬さと組織を評価する可能性を検討した。計測の精度を高め、また厚肉の場合と異なる評価基準を定めることにより、非破壊で評価できる可能性がある。
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